2018年10月16日の報道ステーションの報告です。
この日、最も多くの時間を割かれたのは「地面師55億円詐欺事件」についての部分でした。
今回取り上げるのは、「消費税増税」に関する部分です。
さあ、詳しく見ていきましょう。
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【スタジオ】
徳永有美アナ:続いて、来年の10月に予定されている消費増税に伴い、2%のポイント還元を政府は機能打ち出しました。一夜明けて、担当大臣たちからは、いろいろな発言が飛び出しています。
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【VTR】
ナレーター:今朝の安倍総理。
記者:消費増税への対策はどのようにお考えでしょうか。
安倍首相:それについてはですね、まさに対策を万全を期すために、昨日閣議決定を行いました。3%引き上げた際の経験を生かしていきたいとと考えています。
ナレーター:と、言いますが。
麻生財務相:田舎で魚屋で買い物したことがあるか知らんけど、代替クレジットカードなんかでやってる人はいないからね。
ナレーター:麻生大臣が指摘しているのは、現金を使わずに買い物をすると、2%分のポイントが還元されるという増税対策について。魚屋といえば、昨日番組で取材した店でも、クレジットは使えませんでした。
麻生財務相:現金で、カゴの中に入ってるやつでパッとやっていくという、あのの中で、8&、10%還元なんていう話がどれだけ上手くいくかっていう話は、これは主にその、窓口でやる通産省のところでいろいろやっていかないかんというところになってくるんだと思います。
ナレーター:地方の商店街でも、クレジットカード決済は進んでいません。地方創生担当のこの人からは。
片山さつき地方創生担当大臣:あのプレミアム付きの商品券や旅行券とか、あるいは現金給付をおっしゃっている政党もあるようですが、きちっと目が行き届くような形も当然配慮されるべきものだと。
ナレーター:一方、これを機に現金を使わない決済、キャッスレス化を推し進めたい経産省は。
世耕弘成経産大臣:キャッスレスに対応できない消費者についてもですね、クレジットカードだけではなくて、キャッスレス対応の多様な選択肢を準備していく必要があるというふうに思っています。
ナレーター:ちなみに、経産省とカード会社などが設立した団体の創立大会が、まさに昨日開かれました。
鵜浦博夫会長:いよいよキャッスレスの推進にあたっての機は熟したと。
ナレーター:景気を落ち込ませないための対策は、2%還元だけではありません。政府は、自動車の保有や住宅購入の支援。さらには、国土強靭化のための公共事業にも広げようとしています。消費税を10%に引き上げると、税収は5.6兆円増えると見込まれ、当初は4兆円余りを国債の返済に、残りを高齢者などの社会保障の充実に充てる予定でした。それが去年、幼児教育の無償化などに振り向けることが決まり、軽減税率でも、1兆円減りそうです。そして、今回のポイント還元などの景気対策によって、財政健全化がさらに遠のく恐れがあります。
木内登英氏:まさに今、政府が検討してる非常にこう、広範囲にわたる反動減対策というのは、私としてはちょっとやりすぎで、本来まあ、消費税率引き上げの一番の目的であった財政健全化・財政赤字の削減という目的がですね、逆行しちゃうという面がありまして、もともと消費税率の引き上げってのは一体何のためにやるものだったのかということがですね、やや忘れられてしまってるんじゃないかというふうに思います。
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【スタジオ】
富川悠太アナ:木内さんは景気対策をやりすぎなんじゃないかっていう意見もね、おっしゃっていましたけども、その景気対策をしてくれること自体は消費者にとってはありがたいことですけども。
徳永アナ:ただ目先のことになるんじゃないかと思ってしまいますけども。
富川アナ:その、難題って分かってるから与党内からいろんな声が出てきていますね。それもまたバラバラ感っていうのがありますよね。
徳永アナ:そうなんですよね。そんな中、それを皆で共有して実現していくのは本当遠いんじゃないかって思ってしまいますけども。はい。
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【検証部分】
今回の放送の問題点は、スタジオでのアナウンサーとコメンテーターのやり取りが放送法違反に抵触する可能性があることです。
詳しく説明していきます。
スタジオでは、こんなやり取りがありました。。
富川悠太アナ:木内さんは景気対策をやりすぎなんじゃないかっていう意見もね、おっしゃっていましたけども、その景気対策をしてくれること自体は消費者にとってはありがたいことですけども。
徳永アナ:ただ目先のことになるんじゃないかと思ってしまいますけども。
富川アナ:財政健全化とは逆行しているようにも感じますね。
後藤謙次氏:そうですね、本当は財政健全化が本来の消費税増税の目的の一つだったんですね。ところがいま、これをやってることを見るとですね、本当にバラマキと言ってもいいんですね。(中略)そういうものまで全部ため込んでします。つまり来年の選挙の前には、これだけでもやりましたよっていう選挙対策の顔も見えてしまう。っていうことで、これを年末までにやろうというんですから、そうとう無理難題だと言っていいと思いますね。
ここでは、2019年10月に予定されている消費増税の際に予定されている軽減税率や景気対策について、スタジオにいる人々は「バラマキ」や「目先のこと」と捉え、否定的な主張を行っています。
確かに軽減税率については、分かりにくい側面があったりして国民的な議論があることは確かです。
しかし、低所得世帯への配慮や、景気の腰を折ってしまうことを考えた政府が検討を進めていること自体を否定することはメディアの役割なのでしょうか。
困難で、わかりにくい制度だからこそ、両方の意見を取り入れ、率先してそれをわかりやすく説明してこそ、国民の議論がより活発になっていくと言えます。
したがって、今回の放送は放送法第4条2項「政治的に公平であること」に抵触している可能性があります。
今後も監視を続けます。