2018年12月9日 サンデーモーニング(後編)

2018年12月9日 サンデーモーニング(後編)

サンデーモーニング、2018年12月9日放送回の検証報告(後編)です。

今回の報告では、
改正入管法成立について報道された部分
辺野古移設埋め立て準備について報道された部分
以上2点について検証し、その問題点を探りたいと思います。

検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。

今回はレポートを2つに分け、前後編でお送りいたします。

後編で検証するのは、
辺野古移設埋め立て準備について報道された部分
となります。

では、さっそく放送内容をみてみましょう。

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【VTR】
・防衛省は埋め立て用の土砂を船に積み込む作業を始めたが、工事に反対する市民らは激しく抗議し、機動隊ともみ合いになった
・玉城知事は、「このような対応が行われたということは、本当に残念であり甚だ遺憾である」と述べた
・防衛省は14日から土砂を投入し、埋め立てを始める方針

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【スタジオ】
関口宏氏:青木さん。また揉めますよこれ。

青木理氏:先ほどの入管法もそうなんですけれども、要するにもう政権がやるって決めたらもうやるんだっていうことなんですよね。今回のケースも、これ民間企業の桟橋を使ったんですよ。ところが、県の規制で定められた工事完了届が出てなくて、県がおかしいじゃないですかって言ったら、慌ててとにかく工事を止めて、またやるっていう、作業を止めるってことをやってるんですね。つまり、もうとにかくなりふり構わない。で、特に2月に沖縄の県民投票があるらしいので、あるってもう決まってるんですよね。その前にとにかく既成事実を作っちゃえっていうことなんでしょ。だから玉城知事がおっしゃってたように、沖縄の気持ちに寄り添うつもりなんて、本当に正直に言えば、ほとんどないっていうことですよね。これでいいのかって僕らは考えなくちゃいけないですよね。

田中秀征氏:ますます冷たくなっていくって感じするね。

関口氏:そんな感じしますな。

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以上が放送内容となります。

では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは、以下の2点です。

1、青木氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
2、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている

それぞれ順を追って解説します。

1、青木氏の発言に、視聴者に誤った印象を与えかねない内容が含まれている
青木氏は今回の報道で、以下のように述べています。

青木氏(抜粋):これ民間企業の桟橋を使ったんですよ。ところが、県の規制で定められた工事完了届が出てなくて、県がおかしいじゃないですかって言ったら、慌ててとにかく工事を止めて、またやるっていう、作業を止めるってことをやってるんですね。つまり、もうとにかくなりふり構わない。(中略)だから玉城知事がおっしゃってたように、沖縄の気持ちに寄り添うつもりなんて、本当に正直に言えば、ほとんどない

要旨をまとめると、
・民間企業の桟橋を使う際の工事完了届を国が出し忘れていたため、一時工事を止めて完了届を提出、また再開した、これはなりふり構わない与党の横暴だ
・与党は沖縄の気持ちに寄り添うつもりなんて本当はないんだ
というものです。

しかしながら、
・届け出を処理して工事を再開することは行政指導に従ったという適切な対応で、これが「なりふり構わない与党の横暴」だとする主張には何ら合理性がない
・公安調査庁によって、沖縄基地反対運動には中国の資金が回っていると指摘されている。つまり、反対運動が本当に沖縄の民意によるものかどうかは疑わしいところがある
・沖縄には国庫支出金が多額に出ており、政府による配慮がなされていないとは言い切れない
など、発言に相反する事実が存在しています。

以上のことから、今回の報道での青木氏の発言は事実にそぐわないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第3項「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

2、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
今回の放送では、この問題について全体を通して「沖縄の辺野古基地移設は問題だ」「県の代表の意向が無視されており、民意が無視されている」という立場に立った意見のみが出てきました。

ですがこの問題に関しては「辺野古基地を移設しない方が危険で問題がある」「国防は沖縄県だけの専権事項ではない」といった反対の意見があります。にもかかわらず、今回の報道ではそうした意見を全く取り上げず、あくまで片方の視点に立った論点のみが放送されていました。

以上のことから、この内容は放送法第2章第4条第4項「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。

以上が報告の後編となります。後編では事実と異なる内容を放送したり、一定の立場に偏った内容だけを放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。

①改正入管法成立について報道された部分
については、前編の報告をご覧ください。

公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。

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