2018年12月17日 報道ステーション

2018年12月17日 報道ステーション

12月17日の報道ステーションのレポートです。
今回の放送では水道に関する報道で印象操作と取られかねない報道がありました。
国会に提出された水道法とは別ケースであるにも関わらず水道法の改正が悪というような印象を与えかねない報道でありました。早速見ていきましょう。

徳永アナ「続いてはこちらです、こちらは岩手県雫石町の岩手高原ペンション村です。ペンションや別荘など35軒が立ち並んでいます。この地域にはまちの水道が引かれていないため40年以上前から民間企業が水を供給しています。しかしその業者が赤字で水を組み上げるポンプの電気代が払えず、住民が負担しなければ、水を止めると言い出したのです。その期限の日を迎えました。」

VTR
ナレーター「水が止められるのを防ぐため。水道への電力供給を申し入れるため、住民らが東北電力岩手支店に入っていきます。水の問題なのに、住民らが電力会社にお願いに訪れたのは、なぜかというと。水道を管理している民間の管理会社が電気料金が払えず、水の供給を止める、と言うからです。今日が期限とされています。」

ペンションを経営している鳥居さん「今日は結果待ちですよね、水がでなければ廃業してなければならない。」

ナレーター「水道が止まった場合に備えて、家中の鍋に水をためました。」

鳥居さん「当たり前だと思っていたことが、いかにありがたいかですよね。」

ナレーター「この地区では、井戸水をポンプでくみ上げ、ペンションや別荘など35軒が利用しています。自治体が運営する水道ではなく、民間のきぎょうが45年前に整備しました。そのご管理会社が変わり、5社目です。今の管理会社が住民に追加の負担を求めたのは突然のことでした。先月になって赤字のためポンプの電気代を払えないと言い出したのです。住民への説明会では。」

(音声のみで)
管理会社「9月分10月分の水源ポンプ、合計で50万9533円。一人当たりの負担額が1万4561円。協力を得られない、今後止められても困らないという話なら接続を切り離す。」

住民「でもそれをやっちゃいけないよね。」

ナレーター「管理会社は年間400万円の赤字で水の供給を維持できないと訴えています。一方急な申し出に住民は料金の負担が曖昧で不当だ、としてその支払いを拒否しています。」

管理会社「現状を改善するためにとりあえず今水道の使用をしている方々で、負担してくださいってそれだけの話なんですよ。」

住民「なんとか頼む、っていう意欲が感じられない。今年こういう状況だからなんとか頼むと頭を下げて」

管理会社「なんでこっちが頭を下げるんですか。」

住民「管理会社だから。」

管理会社「だって、待ってくださいよ。うちは別に水道供給を止めた方が赤字を減らせるんですよ。」

ナレーター「雫石町は水を止められて場合は約14キロ離れた公民館の水を解放するとしていますが、民間の運営に関与することはできません。住民たちは管理会社が求める9月10月の電気代の滞納分については負担を拒否するものの、あす以降の電気代についは電気会社に立て替える意向を伝えました。午後2時、話し合いを終えて。」

住民代表「最悪の事態は免れることが来そうだということで。」

記者「住民に良い報告できそう?」

住民側の代理弁護士「今のところ。現段階ではというところだと思います。」

ナレーター「水を止められる事態は当面避けられたようですが。管理会社との間で問題が解決したわけではありません。」
鳥居さん「当面の危機は回避された。水は明日は止まらない。ただ先送りにして、これからはまた長く続くんですよ。

【スタジオ】
徳永アナ「うーん、これ住民側にとって本当に困ったなぁというところだと思うんですけど。先日の国会で議論された水道法の改正とは今回ケースはまた違ったことになるんですが、その利益を追求する民間企業が命に関わる水について、まぁほんとうに介在してくるとこういう困ったケースが出てくる。ちょっと不安になる。という気がするんですけど。」

後藤謙次「そうですねぇ。水道事業の基本というのは良質な水を安定的にかつ適正な料金で提供するんですね。しかも今回の雫石町のケースでいうと、その安定供給が脅かされている、しかもそれは料金問題に起因する、ということなんですね。これは民営会社、民間の問題ですから雫石町はやや距離を置いているんですが、やはり公共事業、しかも命と生活に関わる問題ですから、やはり自治体が乗り出して、行司役に入ると、いうようなことが必要だと思うんですね。」

徳永アナ「やっぱり水というと、本当に命に関わって来ますから、そこを引き換えにってなると、住民の方々が何もいえなくなってしまう。ってことですよね。」

後藤謙次「まさに人質にとられていると同じなんですね。世界各国で公営から民営にと、こういう事業いっぱいありましたけど、大半が結局民に戻っていると。いうことで日本はこの間改正水道法ができましたけど、まぁ三週遅れだと。こう言われているんですね。こういう問題は公が関与すると。民から官へもう一回考え直しても良いんじゃないかと思うんですね。」

問題となる発言の箇所は同じですが、今回の報道の問題点は2点。
1点目は印象操作ととられかねない発言があったこと。
2点目は事実を曲げた放送であった可能性があり放送法に抵触する恐れのある報道であったこと。

今回取り上げられた水道に関する報道は民間業社の水の運営が完全に委託されていた稀なケースです。先日改正された水道法とは違ったケースです。先日の水道法改正は民間に水道老朽化対策のメンテナンスなど一部を委託する内容であり、完全な民営化ではありません。にもかかわらず、水道法の改正によって今回取り上げられたケースのようなことが起きかねないという印象操作ととられる発言がありました。以下がそのスタジオでの発言箇所です。

徳永アナ「うーん、これ住民側にとって本当に困ったなぁというところだと思うんですけど。先日の国会で議論された水道法の改正とは今回ケースはまた違ったことになるんですが、その利益を追求する民間企業が命に関わる水について、まぁほんとうに介在してくるとこういう困ったケースが出てくる。ちょっと不安になる。という気がするんですけど。」

後藤謙次「そうですねぇ。水道事業の基本というのは良質な水を安定的にかつ適正な料金で提供するんですね。しかも今回の雫石町のケースでいうと、その安定供給が脅かされている、しかもそれは料金問題に起因する、ということなんですね。これは民営会社、民間の問題ですから雫石町はやや距離を置いているんですが、やはり公共事業、しかも命と生活に関わる問題ですから、やはり自治体が乗り出して、行司役に入ると、いうようなことが必要だと思うんですね。」

今回の水道法改正と違うと述べているにもかかわらず、印象として水道法改正で民間が少しでも関与すると危険だ、というふうに感じてしまいます。さらに不安を煽るような発言が続きます。

徳永アナ「やっぱり水というと、本当に命に関わって来ますから、そこを引き換えにってなると、住民の方々が何もいえなくなってしまう。ってことですよね。」

後藤謙次「まさに人質にとられていると同じなんですね。世界各国で公営から民営にと、こういう事業いっぱいありましたけど、大半が結局民に戻っていると。いうことで日本はこの間改正水道法ができましたけど、まぁ三週遅れだと。こう言われているんですね。こういう問題は公が関与すると。民から官へもう一回考え直しても良いんじゃないかと思うんですね。」

これらは印象操作をしていると受け取られかねない発言ですが、それと同時に以下の放送法に抵触する恐れがあります。

(3)報道は事実をまげないですること

水道法の改正は完全な民営化であるというような論調で語ってもやはりそれは事実ではありません。改正内容とは違っているのもかかわらずこのような報道であったことは問題であります。

公平公正なテレビ報道を実現すべく、視聴者の会は今後とも監視を続けて参ります。

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