2018年12月16日 サンデーモーニング(後編)

2018年12月16日 サンデーモーニング(後編)

サンデーモーニング、2018年12月16日の検証報告(後編)です。

今回の報告では、
辺野古埋め立てといずも空母化について報道された部分
河野大臣の「次の質問どうぞ」発言について報道された部分
以上2点について検証し、その問題点を探りたいと思います。

検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第2章第4条と照らし合わせて検証します。

今回はレポートを2つに分け、前後編でお送りいたします。
後編で検証するのは、
②河野大臣の「次の質問どうぞ」発言について報道された部分
となります。

では、さっそく放送内容の要約を見ていきましょう。

——-
【VTR】

関口宏氏:河野外務大臣。この日の会見で、日露交渉をめぐっての場で。
記者:大臣の受け止めをお願いします。
河野外務大臣:次の質問をどうぞ。
記者:反応をこの場でするつもりをつもりもないということでよろしいでしょうか。
河野外務大臣:次の質問をどうぞ。
記者:なんで質問に「次の質問をどうぞ」というんですか。
河野外務大臣:次の質問をどうぞ。
関口氏:記者からの質問を完全に無視していますが。
記者:公の場での質問に対してそういうご答弁をされるというのは適切ではないのではないでしょうか。どう思われますか。
河野外務大臣:交渉に向けての環境をしっかり整えたいというふうに思っております。

【VTR終了】
関口氏:そして河野氏。15日のブログで、自身の対応にお詫びしますと陳謝。いつものようにお答えは差し控えますと答えるべきでしたと言っているのですが、中谷さん、なんだろねこれ。

中谷哲生氏:後で詫びればいいっていうことではないと思うんですけど、まあやっぱり人としてコミュニケーションをとっていく中で、その質問に対しては答えることは難しいですというふうに、一言丁寧に、やっぱり対応していくということが重要かと思います。

関口氏:そうだろうね。そりゃ、難しいこともあるのかもしれない。これだったら何も記者会見開く必要がないじゃないかということになっちゃいますよね。

——-

以上が放送内容となります。

では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは、以下の1点です。

・意図的な編集で視聴者に事実と異なる認識を与えた恐れがある
では、順を追って解説します。

1、意図的な編集で視聴者に事実と異なる認識を与えた恐れがある
VTRでは、河野外務大臣の発言として以下のような発言が取り上げられています。

河野大臣(発言より抜粋):次の質問をどうぞ。

この発言は、河野大臣が記者の質問に対して繰り返し用いたとされる回答です。
この発言に対するこの番組の反応の要旨をまとめると、
・記者の質問を4度にわたり完全に無視している
・その後河野大臣は謝罪しており、自らの非を認めている
・後で詫びればいいということではないが、答えられない質問だとしても一言一言丁寧に対応するべき
・これでは記者会見を開く意味がない

しかし、
・河野大臣はこの記者会見だけではなく、以前の国会でも記者会見でも一貫して回答をしていない。
・この日の国会答弁の冒頭でも「ロシアとの北方領土交渉についての回答は差し控える」と立場を言明している。
・その理由は2つ。1つはその日外務省の外交資料のデジタル化などほかに質疑応答をすべき事項があったこと、もう1つは自らの発言がロシアに対して有利な材料を与えてしまうから
・河野大臣は「北方領土問題についての外交交渉」以外の質問についてはしっかりと回答している
・にもかかわらず、記者が執拗にこの問題を質問したため、あのような回答をした

という、発言の内容や根拠を否定するような事実が存在しています。

以上を踏まえると、今回の報道における河野氏の発言の取り上げ方は極めて悪質と言わざるを得ません。
VTRを自分たちに都合がいいように加工して利用する、視聴者に見せない事実は存在しないかのように扱う、事前に何度も周知のあった質問事項を執拗に問いただすことで失言を狙った、そう取られても仕方のない行動です。
したがって、今回の河野大臣の発言の取り上げ方は、事実と異なる認識を視聴者に与える恐れがあると言えます。従って、この放送内容は放送法第2章第4条第3項「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

以上が報告の後編となります。後編では事実と異なる内容を放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。

①辺野古埋め立てといずも空母化について報道された部分
については、前編の報告をご覧ください。

この河野大臣の「次の質問どうぞ」発言問題について、しっかりと前後の事実まで含めて報道したマスメディアがどれだけあったでしょうか。この問題の切り取られ方ひとつを見ても、マスメディアがいかに自分に甘いか、自分たちが正しいと盲目的に信じているかがよくわかるような、そんな問題だったように思います。

公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。

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