2018年12月26日 報道ステーション

2018年12月26日 報道ステーション

12月26日の報道ステーションのレポートです。この日はエリザベス女王のクリスマスメッセージやIWC脱退のニュースが取り上げられていました。
今回検証するのは26日で発足6年を迎えた安倍政権を包括する報道部分です。
早速見ていきましょう。

徳永アナ「こちら2012年12月、第2次安倍内閣が発足した時の様子です。懐かしい顔ぶれが見られますね。政権交代して今日でちょうど6年になります。政策の目玉とする、アベノミクスに総理はまだまだ強い自信を見せていますが、このところの株価の急落など先行きは一体どうなるのでしょうか。」

VTR

安倍総理「アベノミクスは本日でちょうど6年目を迎えます。今月で73ヶ月の景気回復
なり、戦後最長に並んだかもしれない。こう言われています。」

ナレーター「今日安倍総理は経団連の会合に出席し、アベノミクスについて誇らしげに語りました。安倍総理、今年もいろいろありました。」

(3月の国会映像)

安倍総理「そんなに興奮しないでくださいよ。いや妻がそこでどういう答えをしたかというのはそれほど大切なことなんですか。」

ナレーター「森友問題では財務省が決済文書を改ざんしていたことが発覚します。、さらに総裁選では。」

安倍総理「批判だけしていても何も生み出すことはできないんですよ、皆さん!」

ナレーター「一騎打ちとなった石破氏に善戦を許しました。入管法の改正ではわずか38時間の審議時間で押し切りました。それでも安倍内閣の支持率は大きく崩れることなく堅調に推移し今も40%をキープしています。下支えとなっているのは第2次安倍政権の発足以来続く、景気の状況です。」

安倍総理「この景気回復は戦後最長なのに、かつての神武景気や岩戸景気のいったネーミングがない。」
ナレーター「名前をつけてほしそうな安倍総理ですが
今の景気について町の人の実感は・・・。」

町工場の社長「いつもと変わらないんで、あんまり実感はない。」

パート従業員「時給はちょっと増えました。ボーナスもちょっとだけもらえた。」

看護師「おそらく職場自体は黒字なんですが、私たちの方までは全然何も変わらなかったです。」

IT企業社員「景気がいいから大丈夫だという安心感までは得られない。」

ナレーター「景気拡大の恩恵を実感している人はそれほど多くはないようです。それもそのはず、買い物などに自由に使える実質可処分所得は社会保険料の負担が増えるなどして、アベノミクスの前より、むしろ減少しています。例えば、年収500万円の4人世帯では25万4400円も使えるお金は減っているのです。それでも株価の上昇は続いてきました。しかしここにも陰りが見えてきました。」

(CM)

ナレーター「昨日1000円以上も急落した株価ですが、果たして、今日は。」

八木記者「日経平均株価は今日1年8ヶ月ぶりに1万9000円を割りました。終値は戻して1万9千327円となっています。」

ナレーター「日経平均株価はバブル崩壊後の最高値を更新した10月始めに比べると3ヶ月でおよそ5000円も急落したことになります。」

安倍総理「外的なショックにより強靭で筋肉質な経済になったと考えています。株価の水準について政府としてはコメントしません。」

ナレーター「しかし専門家は・・・。」

野村総研研究所エグゼクティブ・エコノミスト木内氏「政治的な混乱が重なってアメリカで株安が起こった。それが日本に飛び火いたんですけど。重要なのはですね、主要国の中で日本が最も株価の下落の幅が大きいということですね。政策の手詰まり感と言いますか、対応の余地が残されていない。」

ナレーター「今、アベノミクスの最大の柱である、異次元の金融緩和に手詰まり感が漂っています。」

黒田日銀総裁「目標の実現には想定していたよりも時間がかかると見込まれ、先行きをめぐる不確実性がさらに高まっていますが。
現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていく。」

ナレーター「しかし、日銀が国債や株式を大量に買い続けることの副作用も懸念され、、打つ手は限られています。」

野村総研木内氏「政策の重点が金融緩和にかなり偏ってですね、本当に世界経済が悪くなって本当に効果がある追加緩和が必要な時に打つ手がなくなっている。来年、世界経済が弱くなった時にはたぶん財政拡張の傾向がもっと強まる。財政の環境がもっともっと悪くなってしまうことが心配になってくる。」

スタジオ解説。
徳永アナ「後藤さん、経済では陰りが出ているように見えているんですけども、後藤さんは安倍政権の6年間どのように見ていますか。」

後藤謙次「非常に長期政権になっているわけですけども、これを見てください。このフリップをご覧になって一目瞭然なんですが、この2012年の選挙だけはですね、野党としてチャレンジした選挙なんですが、あとこれ見ますと、毎年1回ずつ全国レベルの選挙やる、まぁ統一地方選も入っていますけれども、毎年選挙なんですね。しかも衆議院選挙は12年から3回やるんです。今の選挙制度というのは小選挙区というのが基本ですから候補者を立てるというのが非常に重要なんですね、つまり野党が準備する間もなく次の選挙行きますから、本当は任期は4年となっているんですが、4年でじっくり政策を組み立てて、次の政権取りに行くという体制が取れないままですね、日々野党側は選挙対策に追われたまま、統一もできないまま進んでいる。そこで一強というのが生まれるんですね、そして党内においては公認権をお安倍総理が握ってますから、安倍さんの顔をみんなが観ると、そして国会の中もですね、自民党一強、そしてそこに公明党という大きな組織を抱えている政党がいるということで、国会の審議の空洞化というのも生まれているんですね。ただそういう長期政権
一強を生み出すんですが、その前の6年を考えますと最初の安倍さん、これ1年しかやってないんですね、その前の6年は6人の総理大臣が生まれている。1年ごとに総理が変わる、その政権不安定さによって国際的な信用を失ったのも事実なんですね。だから、長期政権が良いのか、クルクル変わるのが良いのか、この比較っていうのは非常に難しいんですが、やはり今の安倍政権を生み出したのは、、まさに今の選挙制度の完成形といってもいいんですね。そして来年また、参議院選挙と、統一地方選があるということですから、ますます安倍さんの地盤を固めていくだろうと、そして安倍さんの政権を支えたのは外交と経済だと、このうち経済については株価の急落という事態。で、日銀の出口戦略というのも見えてこない。一方外交についても今、、非常に国際社会が揺れて荒れていると。特に日韓関係は戦後最悪と言ってもいい、ぐらい悪化の一途をたどっているんですね。つまり安倍さんを支えていた二本の柱が揺らいでいると。そして来年。2019年平成最後の年を迎えると、いう今まさに安倍政権は岐路に立っていると、言っていいと思いますね。」

富川アナ「打つ手がなくなっているかもしれない。正念場というわけですね。」

後藤謙次「はい。来年参議院選挙もありますからね。またそこで安倍総理の辣腕ぶりが出てくるかも分かりませんね。」

今回の報道の問題点2点あります。
1点目は印象操作と取られかねない報道、または事実を曲げた報道であった恐れがあること。
2点目は公正を欠いた報道であった恐れがあること、それに伴い放送法に抵触する恐れがあること、です。

1点目についてですが、今回の報道では安倍政権を振り返るというものでした。その中で景気の話が大きく取り上げられていました。
アベノミクスをやってきたけれども、街の人の実感はなく、株価も落ちていると。このような報道のみでした。アベノミクスによって景気が回復した部分、例えば失業率を最低水準まで下げたことやボーナスが過去最高水準になったことなどは全く取り上げませんでした。これではアベノミクスは全くの失敗であったと事実を曲げかねない印象を与えかねません。
たしかに消費増税などもあり物価目標などは達成できませんでしたが、アベノミクスが評価される面も確実にあります。しかしそうした事実を無視した今回の報道は以下の放送法に抵触する恐れがあります。

放送法4条
(3)報道は事実をまげないですること

また2点目についてですが、後藤氏の解説は選挙制度の問題点を語っているようにも見えますが、完全に野党に寄った発言であります。
選挙はもちろん全政党が同じルールのもと戦います。自民党も他の野党もルールは同じです。選挙の日程も当然同じです。選挙の準備が不十分であってもそれはその政党の責任です。しかし後藤氏は以下のように発言しています。

後藤謙次氏「毎年1回ずつ全国レベルの選挙やる、まぁ統一地方選も入っていますけれども、毎年選挙なんですね。しかも衆議院選挙は12年から3回やるんです。今の選挙制度というのは小選挙区というのが基本ですから候補者を立てるというのが非常に重要なんですね、つまり野党が準備する間もなく次の選挙行きますから、本当は任期は4年となっているんですが、4年でじっくり政策を組み立てて、次の政権取りに行くという体制が取れないままですね、日々野党側は選挙対策に追われたまま、統一もできないまま進んでいる。そこで一強というのが生まれるんですね。」

選挙の準備に関して完全に野党によった発言のみであります。これは以下の放送法に抵触する恐れがあります。

放送法4条
(2)政治的に公平であること

自民党の強さは野党の弱さによるというのも一面ありますが、それ以外にも経済にまず着手してきたこと、自主外交を築いてきたことなど様々あります。それらを並べた上での解説が公正な報道ではないでしょうか。選挙制度に関してもそれに対応できていない野党に責任が大きくあるはずですが、そのような野党のみを擁護する後藤氏の発言を公平な意見と言うことはできないのではないでしょうか。
公平公正なテレビ報道を実現すべく、視聴者の会は今後とも監視を続けて参ります。

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