8月26日の報道ステーションのレポートです。
今回検証するのは以下の点です。
・日韓関係に関する報道取り上げられていた論点の多さと公平性について
まずは放送内容を確認していきます。
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【スタジオ】
富川雄太アナウンサー:82%。この数字は文在寅政権発足時2017年5月の時点の19歳から29歳若者の支持率なんです。高いですよね。私も、このとき取材しましたけどものすごい若者の熱気と盛り上がりでした。それが、今日発表されたデータによりますと若者の支持率44.4%と半分近くまで落ち込んでしまったんですね。GSOMIAの破棄を表明したこと自体は国内の支持を得ているはずなんですけど若者の指示がなんで、ここまで下がってしまったんでしょうか。取材しました。
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【VTR】
板倉朋希レポーター:GSOMIA破棄に反対する人たちの集会ですけど身動きできませんね。至るところで小競り合いも起きている状態です。
ナレーション:破棄に反対する集会も行われましたが今日、公表された世論調査では賛成が反対を大きく上回る結果となりました。一方、政権支持率では厳しい結果に。政権発足以降、初めて不支持が50%を超えたのです。その大きな理由が文在寅氏の最側近チョ・グク氏のスキャンダルです。
文在寅氏が次期法相に指名していましたが娘の不正入学疑惑が連日のようにメディアで追及されています。ただ、支持率が低迷した理由はそれだけではありません。文政権の誕生を牽引した若者たちが離れていっているのです。
2年前の大統領選。弱者への富の分配を掲げた文在寅氏は、若者から熱烈な支持を得ました。その1つが最低賃金の引き上げでした。2年にわたって最低賃金を大幅に引き上げた結果人件費が高騰し、かえって雇用を減らす動きも出ています。
大卒者の就職が厳しい韓国では海外で仕事に就く若者が年々、増えています。その3分の1は日本での就職です。
26歳の大学生、ユさんは日本の自動車メーカーなどへの就職を目指し2年前から準備をしてきたといいます。参考書は全て日本語で書かれています。ユさんは来月日本企業が多数出展する就職説明会に参加する予定でしたが韓国側が急遽延期を決めました。
今後の日韓関係についてユさんは、こう話します。『私の将来だけでなく、日韓は近い国で断交はできないので、もう少し賢明な方法で解決してほしいと願っています』
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【スタジオ】
徳永有美アナウンサー:ユさんのようにここまで日本を勉強して日本に就職したいということで勉強を重ねている人にとって。日本もそうですし韓国の若者にとっても政治の対立によって未来が制限されるということはとても由々しき問題だと思いますよね。だからこそ、私たちは冷静にいろいろ考えていきたいなと思います。
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【検証部分】
今回検証するのは日韓関係に関する報道の論点についてです。
まずは放送内容を簡単にまとめてみます。
① 若年層の文大統領への支持率の低下を取り上げる
② その要因として最低賃金の強引な引き上げがあった
③ 就職が難しくなり、日本で就職する韓国の若者が増えている
④ しかし、日韓関係の悪化によって影響が出ている
⑤ このように民間にも影響が出ているため、日本も韓国も対立するばかりでなく、冷静になるべきだ、との解説
おおまかにこのような放送内容でした。
今回の放送の問題点は以下の2点です。
・政治的に公平な放送ではなかった可能性がある
・多くの論点をとりあげた放送ではなかった可能性がある
1点目と2点目を一緒に検証していきます。
放送では日韓関係の悪化に関して、民間への影響が出ているのだから、日韓ともに冷静になるべきだとの解説をしています。
この点について、日韓関係悪化の要因について一切触れていません。
元々は韓国が徴用工問題について、請求権協定を無視したことが最も要因の一つです。日韓請求権協定は両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産,権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題は「完全かつ最終的に解決」されており,いかなる主張もすることはできない(第2条)ことを定めているにも関わらず、韓国はこの国際間での約束を反故しています。
(下線部https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/page4_005119.html 大韓民国による日韓請求権協定に基づく仲裁に応じる義務の不履行について 外務大臣談話)
その後も、韓国の輸出管理の不徹底であるという疑惑についても適切な説明がなされないままです。
今回のGSOMIA破棄は韓国側の逆切れともいえる対応です。
このような日韓関係悪化の要因ついて一切触れずに、このような放送を行うことは多くの論点を取り上げていない、また韓国側にとって不利な点を取り上げないということで以下の放送法に抵触する恐れがあります。
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放送法4条
(2)政治的に公平であること
(4)意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること
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視聴者の会は公正なテレビ放送を目指して監視を続けて参ります。