2019年2月4日 報道ステーション

2019年2月4日 報道ステーション

2月4日の報道ステーションのレポートです。今回とりあげるのは厚労省不正統計問題に関してです。複数のメディアで報道があるように、この問題は2004年から行われてきた問題であり、安倍政権になってからの問題というわけではありません。
であどのような放送だったのでしょうか。見ていきましょう。

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【スタジオ】
徳永有美アナ:国会では今日から、衆議院の予算委員会が始まりました。最大の焦点は不正統計問題ですが、野党は元厚労相責任者を国会に呼ぶよう求めましたが、与党はこれを拒否しました。実態の解明はどこまで進むのでしょうか。

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【VTR】
自民党 小泉進次郎厚労部会長:厚労省本当に大丈夫かという。厚労省の未来については私はまだ全然見えてない。原因究明については今も再調査続けられていますが、やはり第三者性・客観性、そういったことについては大きく疑われてしまったのも無理がないと思います。

根本匠厚生労働大臣:第三者性を強調しすぎたのではないかということについては、私も反省をしております。

ナレーション:不正統計の調査で、「第三者性を強調しすぎた」と言う根本大臣ですが、野党がまず問題視したのは――

立憲民主党 長妻昭代表代行:なぜ呼ばないんでしょうか、委員長。

ナレ:野党が国会に呼ぶよう求めたのは、先週更迭された、厚労省の大西康之前政策統括官です。

委員長:参考人リストに沿って質疑をなさってください。

ナレ:大西氏は、一連の不正統計問題の責任者でしたが、大臣官房付きに更迭されたことで、与党は「現職ではない」と、国会に呼ぶことを拒否したのです。

立憲民主党 長妻昭代表代行:その方を呼んだら与党に不利になるとか、政府に不利になるとか、そういう話じゃないんですよ。いやほんとにそうなんです。実態解明をするキーマンなんですよ。

ナレ:根本大臣は。

根本匠厚生労働大臣:この職務を担わせることが適当でないということで代えた。新たに任命された統括官が対応することが適当であると私は考えております。

ナレ:国会には不正統計問題を調査した特別監察委員会の樋口美雄委員長が呼ばれました。樋口氏は厚労省所管の独立行政法人の理事長を務めています。

立憲民主党 長妻昭代表代行:樋口委員長は本業は厚生労働省の独立行政法人、労働政策研究・研修機構理事長でございますが、この組織はどこから予算をいくらもらっておられますか。

特別監察委員会 樋口美雄委員長:国費が27億100万円。厚労省といいますか、国からそういう意味ではいただいております。

立憲民主党 長妻昭代表代行:責任者として中立な立場で、本当に厚労省の職員に厳しい判断ができると理事長は思われておられますか。

特別監察委員会 樋口美雄委員長:統計の専門家ということで長い間統計に携わってまいりました。今回の問題、やはり解明する上ではどうしても統計の知識が必要である。

立憲民主党 長妻昭代表代行:本当に組織的な隠蔽はないと確信しておられるんですか。

特別監察委員会 樋口美雄委員長:本日、独立行政法人労働政策研究・研修機構の理事長として招致されていると認識しております。このためただいまの質問には答弁を差し控えさせていただきたい

ナレ:また、去年の実質賃金の伸び率が実際にはマイナスになるのではないかと指摘されている問題について、野党は数値を出し直すよう求めています。

立憲民主党 長妻昭代表代行:実質が出てないんですよ。実質賃金がいつ出てくるんですか。

安倍晋三総理大臣:こういう議論はちゃんと数値を分析して……。これまでの賃金動向に関する判断に影響を与えるとは考えていないわけで、そのうえで参考値をベースとした実質賃金の算出が可能かどうかについては、担当省庁において検討を行っている。

ナレ:国会では明日も統計の問題が取り上げられる予定です。

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【スタジオ】
徳永有美アナ:後藤さん、あの。小泉進次郎さんも、根本大臣のことをいろいろ追及してましたけれども、よく考えたら与党がその前統括官のことを国会に呼ばないわけですよね。

後藤謙次氏:今回の問題はですね、小泉さんは厚生労働省改革が必要だと、これは非常によく分かるんですね。ただそれは将来の問題で、今起きてる統計の問題は、まさに一番詳しいのは大西元統括官なんですね。この人を呼ばずしてですね、つまり厚生省の期待…の場合は、この大西に聞くっていうのが一番手っ取り早いんですね。ただ去年・一昨年、ずっと問題になってた森友学園問題。このとき佐川局長が国会に呼ばれたんです。それが結果的に政府に非常に重荷になったと。そういう苦い思いがあってですね。そこでやはり官僚答弁に任せるってことは、非常に政権としてあやういんじゃないかと。そんな判断ではたらいたのではないかという気がするんですよね。しかし大西さんを出さないっていうことになると、逆にもっと何か大きなものを隠しているんじゃないかと、そんな疑念も呼びかねないですね。民間人としてもやっぱり呼ぶっていうことは当然できるわけですから、大西さんにきちっと聞くということが、当面の今の解明には一番近づくことだと思いますね。

徳永アナ:追及された事に対して答えてもらわないと、国会、国民としてもいったいどうなってるのかと分からないままで終わってしまうというのは……。

後藤氏:そうですね。やはり当事者に聞くというのが基本ですから、そこは是非与党側は受け容れてですね、実現して貰いたいと思いますね。

民主党政権時に厚労大臣を務めていた長妻議員がこの問題を追求しているのは少し奇妙に見えますが、それはともかく今回の放送の問題点は2点あります。

1点目公正な放送であったか、それに伴い放送法に抵触するおそれがあること。
2点目として印象操作と疑われかねない発言があったこと。
1点目から見ていきます。冒頭にも述べた通りこの問題は安倍政権下で発覚しただけであり、安倍政権になる前からもこの統計不正は行われてきた問題です。それは民主党政権の間も含まれています。
この意味で現政権のせいでこのような問題が起きたかのように報道するのは非常に問題があります。与党の質問で取り上げたのは小泉氏の質疑でしたが、その質疑に関してスタジオ開設では以下のようなやりとりがありました。

徳永有美アナ:後藤さん、あの。小泉進次郎さんも、根本大臣のことをいろいろ追及してましたけれども、よく考えたら与党がその前統括官のことを国会に呼ばないわけですよね。

後藤謙次氏:今回の問題はですね、小泉さんは厚生労働省改革が必要だと、これは非常によく分かるんですね。ただそれは将来の問題で、今起きてる統計の問題は、まさに一番詳しいのは大西元統括官なんですね。この人を呼ばずしてですね、つまり厚生省の期待…の場合は、この大西に聞くっていうのが一番手っ取り早いんですね。

与党がなぜ大西氏を呼ばなかったか、など大事な部分には触れずに終わってしまい、残りは野党の追及ばかりを放送していました。これでは公正な報道とは言えない可能性があります。これは以下の放送法に抵触する恐れがあります。

放送法4条
(2)政治的に公平であること

次に2点目ですが、今回の厚労省の問題は与党が隠蔽しているのはないか、政権のせいでこのような問題が起きた、といったような印象を与えかねない発言がありました。
それが以下の発言です。

後藤氏:去年・一昨年、ずっと問題になってた森友学園問題。このとき佐川局長が国会に呼ばれたんです。それが結果的に政府に非常に重荷になったと。そういう苦い思いがあってですね。そこでやはり官僚答弁に任せるってことは、非常に政権としてあやういんじゃないかと。そんな判断ではたらいたのではないかという気がするんですよね。

誤った答弁を行い、それが矛盾しないように官僚が書類を改ざんしたという森友問題を引き合いにし、それと今回もおなじであるというような「気がする」とまさに印象を与えかねない発言であります。
このような発言ではなく大西氏をなぜ呼ばなかったのかというファクトを精査して、放送すべきです。

視聴者の会は公正な報道を目指して、監視を続けてまいります。

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