2019年2月14日 報道ステーション

2019年2月14日 報道ステーション

2月14日放送回、報道ステーションのレポートです。
この日の放送では普天間基地移設に関する報道がなされていました。

報道内容は非常に表面的で、安倍政権を批判する道具として基地問題を扱っているとも思える報道でした。
レポートでは、辺野古基地移設問題の背景をしっかりと見た上で、今回の放送の問題点を指摘していきます。

まずは放送内容からです。

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【スタジオ】

徳永有美アナ:沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設をめぐって、辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票がきょう告示されました。

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【VTR】

沖縄県 玉城デニー知事:この大切な機会をぜひ、県民皆さまお一人お一人がしっかりと意思を示す機会にしていただきたいと思います。県民の皆さまの意思が的確に反映された県民投票となるよう、全力を尽くしていきたいと思います。

ナレ:県民投票は、国が進めている辺野古埋め立ての是非について、賛成・反対・どちらでもないの三択で県民の意思を問います。最も多くの票を集めた選択肢が、有権者の1/4に達した場合は、その結果が日米両政府に通知されます。

菅義偉官房長官:辺野古移設の原点というのは世界で一番危険と言われる普天間飛行場、この危険除去と固定化を避けることはではないいでしょうか。そうしたことから含めて判断されるべきだろうというふうに思います。

インタビュアー:県民投票がどういう結果であれ辺野古移設の方針は変わらないのか?

菅義偉官房長官:基本的にはそういう考え方であります。

ナレ:投開票は今月24日に行われます。

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【スタジオ】

富川悠太アナ:県民投票の結果がどうであれ辺野古移設の方針は変わらないという見解を、菅官房長官示していましたけど。

後藤謙次氏:そうですね、ちょっと驚きましたけども、始めに結論ありきでは、これは民主主義では成立しないと思いますね。今日の菅長官のあの発言を聞いてですね、これは行っても無駄だと思う人が出てくるのか、あるいはだからこそ行かなければならないのかという思いになる人、たぶん両方あるんじゃないかと思うんですね。ただ五市がこの県民投票に対して協力しないというなかで、いろんな紆余曲折があったにせよ、全県でやろうということになったわけですから、貴重な民意が示されるということに対してはですね、結果を静かに見守るという姿勢がとても大切だと思いますね。この問題は安全保障の問題ですから、国の問題でもあるし、我々国民一人の問題ですね。しかし絶えず沖縄がYES/NOを迫られる、そういう状況にいつまで追いやるんだと。そんな気持ちを持ちますよね。

富川アナ:投票率がどこまで上がって、三択でどのような民意が示されるのか、注目ですね。

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まず菅官房長官のVTR中の発言を見ていきましょう。

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菅義偉 官房長官
「辺野古移設の原点というのは世界で一番危険と言われる普天間飛行場。
この危険除去と固定化を避けることはではないいでしょうか。
そうしたことから含めて判断されるべきだろうというふうに思います。」

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この普天間基地移設に関する米軍との交渉はいつひっくり返されたのか。それは民主党政権の時です。
この時、日本の国際的信用は失墜してしまいました。

普天間基地移設の交渉が行われてきた2000年代というのは世界各地で起きていたテロに対し、日本はアメリカを中心に各国で連携を取っていました。またテロ以外にも中国の軍事台頭を警戒していた、アメリカやASEAN諸国との関係も自衛隊による海外派遣などによりかなり密な関係を維持していました。

しかし民主党政権が2009年に登場してから、日本の国際的信用は落ちていきました。

その1番の契機となったのが普天間基地移設問題です。
普天間基地移設を取りやめた2010年は日米安保改定50周年ということもあり、本来であれば日米関係をより強固なものにしていくことが求められる年でした。

米軍関係者の中には日米同盟をNATOレベルの軍事同盟に格上げすることを考えていた人もいたと言われています。
具体的には退役した米空母キティ・ホークを日本に譲渡すること、グアムでの共同訓練を強化することなどが2009年に計画されていました。

ところが、鳩山民主党政権は合意に13年も要した普天間基地移設を一方的に反故にし、「最低でも県外」という方針を公表しました。
13年も交渉を続けて合意を得たものを一方的に反故にされたアメリカは、「日本を信用できない」という評価を下すようになり、日米関係は一気に冷え込みました。このような背景もあって、安倍政権は普天間基地移設を成し遂げ、アメリカとの同盟を強化したいと考えているのです。

普天間基地移設問題は世界的な視点が必要な問題でもあり、かつ一度は合意を得たこの移設問題を県民投票だけで決めて良いのか、という見方が必要です。
しかしながら、後藤氏は以下のように解説しています。

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後藤謙次氏
「(菅官房長官の発言を受けて)ちょっと驚きましたけども、始めに結論ありきでは、これは民主主義では成立しないと思いますね。」

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後藤氏の論調とは逆に国家同士の合意を県民投票で切り替えるのは民主主義なのか、そういった論点を提示すべきではないでしょうか。
上記のような背景の解説なしでの報道は公平なのか、以下の放送法に抵触する恐れがあります。

放送法4条
(4)意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること

視聴者の会は今後とも公正な報道を目指して、監視を続けてまいります。

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