2019年3月6日 報道ステーション

2019年3月6日 報道ステーション

3月6日の報道ステーションのレポートです。
今回は小西洋之議員の質問から派生し、内閣法制局長官の発言を問題視する放送をとりあげます。

小西議員は国会で憲法に関してクイズのような質問を安倍総理に対して行なったり、
自衛官の発言を巡り話題になったりと、注目されることが多い議員です。

3月6日の小西議員の質問は安倍総理が答弁で時間稼ぎをしているという点で総理大臣にもとる人物だ、といった論調で質問を行なっていました。
その中で国会議員による質問は内閣の監視であることで間違いないか、という質問を内閣法制局長官に投げかけ、それに対する内閣法制局長官の答弁について取り上げ、批判的な論調で解説がなされていました。

この放送の中で今回検証するのは次の2点です。
1点目は政治的に公平でなく、放送法に抵触する恐れがあること点、
2点目は内閣法制局長官の答弁を元に安倍一強が問題という印象操作と思われる発言があった点です。

まずは放送内容を見ていきます。

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【スタジオ】
徳永有美アナ:今日の国会では、憲法の番人と呼ばれる内閣法制局長官の答弁をめぐって、審議が一時紛糾しました。

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【VTR】
無所属 小西洋之参院議員:安倍総理のように時間稼ぎをするような総理は戦後一人もいませんでしたよ。国民と国会に対する冒涜ですよ。聞かれたことだけを堂々と答えなさい。

ナレーション:立憲民主党会派の小西議員によるこの発言を与党が問題視すると、小西議員は、横畠内閣法制局長官にこう尋ねました。

小西洋之参院議員:国会議員が国会で行う質問は、国会の内閣に対する監督機能の表れである。

内閣法制局 横畠裕介長官:国権の最高機関・立法機関としての作用というのはもちろんございます。ただこのような場で声を荒らげて発言することまで含むとは考えておりません。

ナレ:この「声を荒らげて」という皮肉とも取れる発言に、野党側は官僚による「政治的発言」だと反発しました。横畠長官は直ちに発言を撤回し陳謝しましたが、審議は一時中断するなど紛糾しました。

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【スタジオ】
徳永アナ:この横畠氏は内閣法制局長官の立場な方なわけですよね。

後藤謙次氏:そうですね。今日の長官の答弁見てますと、まあ辞任要求が出てもおかしくないと思いますね。法制局長官というのは内閣が作る政策・立法、それが法律制度全体の中で整合性があるかどうか、これを審査した上で法制局長官はその解釈を国会で答弁するんですね。あくまでも法律家の立場で、中立をつらぬく。その長官がですね、野党議員の発言にけちを付けるような、こんな法制局長官見たことないんですね。しかも撤回の際にですね、やはりニヤニヤした、あんまり反省のないような答え方をしてるんですね。これは先ほどの樋口委員長の件も同じですけど、やはり安倍一強というなかでですね、内閣全体、国会形式、まあ驕りっていうのが表れたシーンだと思いますね。

徳永アナ:なんか国会の場が空虚な感じがするというか、議論をこちら側としてはほんとに聞きたいのにって思うんですけどね。

後藤氏:そうですね。とにかく国会は論戦と言われる場なんですから、売り言葉に買い言葉、激しい言葉もあるんですが、それは政治家同士の話なんですね。法制局長官が口出す話じゃないと、これ強く言っておきたいと思いますね。

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放送をまとめると
小西議員が安倍総理に
「安倍総理のように時間稼ぎをするような総理は戦後一人もいませんでしたよ。国民と国会に対する冒涜ですよ。聞かれたことだけを堂々と答えなさい。」と質問。
さらに国会の役割の1つには内閣を監視することで間違いないか、という確認の質問を行う。
その上で内閣法制局長官が
「国権の最高機関・立法機関としての作用というのはもちろんございます。ただこのような場で声を荒らげて発言することまで含むとは考えておりません。」
と答弁。
この答弁が官僚による政治介入だと野党は主張しています。

内閣法制局長官の答弁は、内閣の監視は国会の仕事であるが、小西議員のような批判をするだけが監視とは言えないといった趣旨で発言されたと思われますが、野党を正面から批判するような発言には思われません。
この答弁の言葉尻を捉えて官僚の政治介入だとテレビで批判するのは政治的に公平でないといえます。

それはなぜか。反安倍政権の立場の官僚による政治的言動は報道してこなかったからです。
前川元文科官僚は現役官僚(学審議官)だった2015年9月18日にSEALDsと共に反安倍政権のデモに参加しています。本人も2017年8月の講演会で明らかにしていることです。
明らかに官僚による政治的な言動ですが、このことを取り上げたテレビメディアはありません。
これは反政権であれば政治的な言動も許されるという、明らかな二重基準といえるでしょう。
これは以下の放送法に抵触する恐れがあります。

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放送法4条
(2)政治的に公平であること
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2点目に印象操作と思われる発言があったことです。
官僚の答弁を安倍政権の影響であり、官僚が問題を起こすのは安倍一強が続いているからだと、あくまで安倍一強が良くないのだ、といった趣旨の発言がありました。
それが以下の後藤氏による発言です。

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後藤氏:野党議員の発言にけちを付けるような、こんな法制局長官見たことないんですね。しかも撤回の際にですね、やはりニヤニヤした、あんまり反省のないような答え方をしてるんですね。これは先ほどの樋口委員長の件も同じですけど、やはり安倍一強というなかでですね、内閣全体、国会軽視、まあ驕りっていうのが表れたシーンだと思いますね。
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政権による官僚へどのような影響があったのか根拠もなく、安倍一強によって官僚が安倍政権をおもねるといった主張は安倍政権を批判したいがための発言に思われます。
根拠もなく内閣が奢っているのではないかという主張は感情的な発言であり、解説として不適切です。
安倍政権に対する印象を操作しようと思われても仕方がありません。

視聴者の会は公正なテレビ放送を目指して今後とも監視を続けてまいります。

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