2019年5月9日 報道ステーション

2019年5月9日 報道ステーション

5月9日の報道ステーションのレポートです。

今回検証するのは、以下の点です。

・後藤氏による、米朝関係についての解説

まずは放送内容を確認していきます。

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【スタジオ】
富川悠太アナ:今月の4日、つまり5日前に飛翔体を発射したばかりの北朝鮮が、今日また2発の飛翔体を日本海に向かって発射したんです。

徳永有美アナ:非核化を巡り、アメリカと北朝鮮との交渉が行き詰まるなかで発射された飛翔体ですが、これが安保理決議に違反する弾道ミサイルにあたるのか、アメリカや韓国が分析を進めています。

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【VTR】
CNNキャスター:最新のニュースをお伝えします。韓国軍の合同参謀本部によると、北朝鮮が未確認の飛翔体を発射しました。

ナレーション:韓国軍は、北朝鮮が午後4時29分と49分頃、北西部・平安北道の亀城(クソン)市から、短距離ミサイルと推定される飛翔体を2発、東方向に発射したと発表しました。飛行距離は420kmと270kmと推定されています。

記者:総理。北朝鮮の飛翔体発射情報がありますが、政府としてどう対応されるでしょうか。

安倍晋三総理大臣:現時点で我が国の安全保障に影響があるような事態は確認されておりません。

ナレーション:北朝鮮は、5日前にも。

安倍晋三総理大臣:(4日の)飛翔体については今後、日米の専門家同士で協力して分析していくことになります。

ナレーション:飛翔体とは、空の高いところを飛ぶ人工物のことで、ロケットやミサイルも含まれます。北朝鮮に関して、特に問題とされるのが弾道ミサイルです。高高度に打ち上げられ、放物線に近い弾道を描き、目標に落下させられるミサイルのことです。国連の安保理決議は、北朝鮮に弾道ミサイル技術を使った発射は、いかなるものも禁じています。北朝鮮は一昨年には決議を無視する形で弾道ミサイルの発射を繰り返し、日本政府も住民の避難訓練を実施していました。ただその後、北朝鮮は外交姿勢に転じ、ミサイルの発射を封印していました。それが、米朝の交渉が行き詰まる中、今月4日、およそ1年半ぶりにふたたび飛翔体を発射したのです。そこにはロシアの短距離弾道ミサイルに酷似したものも含まれ、米韓の専門家から弾道ミサイルである可能性が指摘されています。ただ日本政府は、米韓と歩調を合わせる形で、弾道ミサイルだとは断定していません。

岩屋毅防衛大臣:北朝鮮の意図について、私どもとして断定的に申し上げる立場にはございません。いずれにしても米国、韓国等々、しっかり連携をして情報の収集分析、それから警戒監視に万全を期してまいりたい。

ナレーション:安倍総理は今日も、条件をつけずに日朝首脳会談の実現をめざす考えを示しました。

日本維新の会 清水貴之参院議員:「条件をつけずに」ということですから、先に経済的な制裁の緩和とか協力関係をつくる、もしくは国交正常化があってその先に拉致の解決が待っていると。

安倍晋三総理大臣:明確にしておかなければならないのは、そういう方針ではありません。拉致問題を解決する上においては、努力として私自身が金正恩委員長お目にかかってお話をしなければならないと申し上げているわけでございます。

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【スタジオ】
徳永有美アナ:後藤さん、日本政府の対応と言いますか、日本がどうも変わってきたように思うんですけども。

後藤謙次氏:変わったというより、安倍総理がずっとやってきた場当たり的な外交のツケが今一気に出てきてしまったという印象ですね。2017年に国難突破解散というのをやったんですね。この国難の一つが、北朝鮮がミサイルをどんどん、どんどん発射すると、この圧力路線を継続しますけど、良いですか? と国民に聞いたわけですね。ところがトランプ大統領が対話路線に舵を切ったら、このトランプ大統領に寄り添うということで、トランプ頼みの北朝鮮外交になったんですね。トランプさんが対話ということになると、こんどは安倍さんも対話だと。直接自分が向き合うと。こう言って、4日の飛翔体発射のあとも二人で電話日米首脳会談やりましたけども、ここで分析中と合意したのは「結論を出さないよ、しばらく様子を見てこの対話路線を維持しましょう」という発想だったわけですね。ですから北朝鮮側からすれば、ここまでやって大丈夫だという新たなカードを手にしてしまったわけですね。今さら安倍総理自身としては圧力路線に戻るわけにもいかない、となると分析中と言って維持をしていくということで、まさにトランプ頼みになって次の局面が打開できなくなってしまっていると。もう完全に足下を見られてしまっているという状況だと思いますね。

徳永アナ:なんかこう日本政府の対応が、国民としては何か曖昧なようにしか見えなくなってきてしまっているなと。

後藤氏:それはまさにトランプ頼みという、安倍さんが積極的に自分で何か切り拓こうという感じに見えてこないからだと思いますね。

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【検証部分】

放送内容をまとめます。
①北朝鮮の飛翔体発射に関する報道
②安倍総理が北朝鮮に条件をつけずに会談について言及
③日本の外交について後藤氏による解説

今回検証する発言は以下の部分です。

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徳永有美アナ:後藤さん、日本政府の対応と言いますか、日本がどうも変わってきたように思うんですけども。

後藤謙次氏:変わったというより、安倍総理がずっとやってきた場当たり的な外交のツケが今一気に出てきてしまったという印象ですね。2017年に国難突破解散というのをやったんですね。この国難の一つが、北朝鮮がミサイルをどんどん、どんどん発射すると、この圧力路線を継続しますけど、良いですか? と国民に聞いたわけですね。ところがトランプ大統領が対話路線に舵を切ったら、このトランプ大統領に寄り添うということで、トランプ頼みの北朝鮮外交になったんですね。トランプさんが対話ということになると、こんどは安倍さんも対話だと。直接自分が向き合うと。こう言って、4日の飛翔体発射のあとも二人で電話日米首脳会談やりましたけども、ここで分析中と合意したのは「結論を出さないよ、しばらく様子を見てこの対話路線を維持しましょう」という発想だったわけですね。ですから北朝鮮側からすれば、ここまでやって大丈夫だという新たなカードを手にしてしまったわけですね。今さら安倍総理自身としては圧力路線に戻るわけにもいかない、となると分析中と言って維持をしていくということで、まさにトランプ頼みになって次の局面が打開できなくなってしまっていると。もう完全に足下を見られてしまっているという状況だと思いますね。

徳永アナ:なんかこう日本政府の対応が、国民としては何か曖昧なようにしか見えなくなってきてしまっているなと。

後藤氏:それはまさにトランプ頼みという、安倍さんが積極的に自分で何か切り拓こうという感じに見えてこないからだと思いますね。

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要旨をまとめると、
・日本はこれまで場当たり的な外交を展開してきた
・日本政府の北朝鮮をめぐる対応が圧力路線から対話路線へと変化した
・日本の北朝鮮への対応はトランプ大統領頼み

この発言の問題点は2点あります。

1.事実と異なる恐れのある内容が含まれている
2.印象操作と思われる内容が含まれている

1点目から順にみていきます。

後藤氏はトランプ大統領が対話路線へと路線を変更したことにより、日本もそれに合わせて対話路線へと切り替えたと解説しています。これが事実なのか検証していきます。

トランプ大統領による北朝鮮との交渉で象徴的な出来事といえば、2018年6月12日の第1回米朝首脳会談です。
また2019年2月27日及び2月28日にも第2回米朝首脳会談が開催されました。

第1回米朝首脳会談から1年ほどの時間が経過してから、日本が北朝鮮との対話の道を模索し始めたことはトランプ頼みの外交といえるのでしょうか。

日本と北朝鮮との懸案事項である拉致問題について見てみると、この問題の解決をアメリカだけに頼っているわけではなく、安倍総理の国連での演説など様々な働きを行っています。

また対話路線といっても経済制裁という圧力も維持していることから、日本並びにアメリカが対話路線に舵を切ったとは必ずしも言えません。

このような事実と異なる恐れのある発言は以下の放送法に抵触する可能性があります。

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放送法4条
(3)報道は事実をまげないですること
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続いて2点目の検証に移ります。

後藤氏は安倍総理のこれまでの外交を「場当たり的」と表現し、徳永アナは日本政府の対応が「曖昧」と述べました。

これらの発言には根拠がありません。後藤氏と徳永アナの主観にすぎず、視聴者に安倍外交が上手くいっていないという印象を与えかねません。そういった趣旨の発言をするのであれば根拠をもって述べる必要があります。

確かに安倍総理の外交を評価するのは様々な見方があり、一面的に評価するのは難しいことですが、ここでは1つ安倍総理の外交を見るポイントを見てみます。それは安倍総理の訪問した国の数です。

実は安倍総理は歴代の総理の中で訪問国が最も多い総理なのです。
ここから安倍総理は外交に積極的に取り組んでいることがわかり、こういった面は評価されてしかるべきでしょう。

安倍総理の訪問国数は安倍外交の一部分にすぎませんが、根拠なく印象だけをテレビで放送するのは問題であると、我々は考えます。

公正公平なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後とも監視を続けてまいります。

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