2019年5月12日 サンデーモーニング(後編)

2019年5月12日 サンデーモーニング(後編)

サンデーモーニング、2019年5月12日分の検証報告(後編)です。

今回の報告では、
① 米国の対中関税25%発動について報道された部分
② 「風を読む」でトランプ大統領の支持率上昇について報道された部分
③ 憲法審査会にてCM規制に関する聴取実施について報道された部分
以上3点について検証し、その問題点を探りたいと思います。

検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。

今回はレポートを2つに分け、前後編でお送りいたします。

後編で検証するのは、
② 「風を読む」でトランプ大統領の支持率上昇について報道された部分における
検証3「青木氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている」

ならびに、
③ 憲法審査会にてCM規制に関する聴取実施について報道された部分
となります。

では、さっそく①の検証3をみてみましょう。

3、青木氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
青木氏は今回の報道で、以下のように述べています。

青木氏(抜粋):国際的には、一番トランプさんを支持してるのは日本なんですよね。だって、武器は爆買いするわ、ノーベル平和賞に推薦するわ、挙句の果てに新天皇になってからの最初の国賓にトランプさんを招くわけでしょ。で、アメリカ国内で福音派とか宗教保持ってのが支持してるっていうんだけど、さきほどVTRで出てきたけども、没落して中国に対してライバル心を燃やしている層とか、あるいは経営者とか投資家ってのが支持してるっていうと、日本はなんなのかなって考えると、やっぱり没落して中国を敵視する人達だったりとか、既存の体制にしがみついてる人達。つまり人類の普遍の価値よりも、既得権が大事なように、国際的に日本も見えてるっていうところにも気づかなくちゃいけないような、僕は気がしました。

要旨をまとめると、
・武器を大量購入したりノーベル平和賞に推薦したり天皇陛下即位後の最初の国賓に招待したりと、国際的に最もトランプを支持しているのは日本だ
・アメリカでトランプを支持しているのは自分が没落して中国を敵視する層や経営者・投資家といった層だが、日本も中国を敵視する層や既得権を大切にする層で同じだ
・人類普遍の価値よりも既得権を優先しているように日本も見られている

というものです。

しかしながら、
・日本にとって米国は外交の最重要パートナーであり、その代表者の米国大統領と良い関係を維持するのは当然のことである
・米国の武器を購入するFMAは日本以外にも多数の同盟国が利用しており、日本のみが爆買いしているという指摘は当たらない
・トランプ大統領は米国で幅広い層から支持を受けており、既得権益や中国への対抗意識が支持の理由だとする主張は事実に基づかない
・南シナ海問題や米中貿易交渉といった昨今の中国の行動を鑑みて、自由主義経済及び安全保障の視点から中国を警戒することは自然なことである
・トランプ大統領を支持していることが人類普遍の価値と相反するという主張は何ら根拠がなく、政治的にも公平とは言えない

など、発言の趣旨とは異なる事実が存在します。

以上のことから、今回の報道での青木氏の発言は事実にそぐわないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」、同第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

続いて、
③ 憲法審査会にてCM規制に関する聴取実施について報道された部分
となります。では、放送内容を見ていきましょう。

【VTR要約】
1年3か月ぶりに憲法審査会の実質審議が行われた旨伝えられる。憲法改正の賛否を問う国民投票が実施された際のテレビCMの規制について、民放連側はCM量の規制には反対する考えを改めて示したとアナウンス。憲法審査会のなかで永原専務理事が、「放送事業者の表現の自由に法令で規制をかける動きには一貫して反対である」と述べる映像が流される。国民投票法では投票日の14日前から賛否を呼びかけるCMを一切禁止しているが、それ以前は規制がなく、野党側は資金力によってCM量が偏ると指摘しているとアナウンス。

【コメンテーターの発言】
西崎文子氏(要約):表現の自由をお金で買うという性質がCMにも当てはまるか。放任することが本当に自由を守ることになるのかどうかは議論すべき問題だと思う。アメリカの最高裁判決では、企業も一人の人格であるので、いくらお金おつぎ込んでCMを流しても構わないとして無制限になった。それから選挙がお金に動かされるというデータが出てきているので、日本もそうなっていくのかどうか議論すべき。

青木理氏(全文):表現の自由っていうのはもちろん、至高の価値なんですけれども、憲法ってのは、権力を縛る国の基本法ですよね。当然ですけれども、権力を持っている者っていうのは、与党にしても政権にしても企業だったり団体だったりとかってのは圧倒的な資金力と力をもってるわけですよね。表現の自由も大切なんだけれども、その資金力によって、うわーっとこう、もし改正の国民投票をするときに流されちゃうっていうことになると、それでいいのかというあたりは、テレビ放送も考えなくちゃいけないんじゃないかと個人的には思いますよね。

以上が放送内容となります。

では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは、以下の2点です。

1、青木氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
2、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている

それぞれ順を追って解説します。

1、青木氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
青木氏は今回の報道で、以下のように述べています。

青木氏(抜粋):表現の自由っていうのはもちろん、至高の価値なんですけれども、憲法ってのは、権力を縛る国の基本法ですよね。当然ですけれども、権力を持っている者っていうのは、与党にしても政権にしても企業だったり団体だったりとかってのは圧倒的な資金力と力をもってるわけですよね。表現の自由も大切なんだけれども、その資金力によって、うわーっとこう、もし改正の国民投票をするときに流されちゃうっていうことになると、それでいいのかというあたりは、テレビ放送も考えなくちゃいけないんじゃないかと個人的には思いますよね。

要旨をまとめると、
・表現の自由は大切だが、国の基本法である憲法についての報道はよく考えなければならない
・権力を持つものは資金を持っているので、国民投票の前に改正の広告を出されてしまうことについては是非を考えるべきだ

というものです。

しかしながら、
・スポンサーという権力の資金によって日頃放送している民法についても全く同じことが言える
・与党にしても政権にしても、と出資者を政権側に限定することは事実に基づかず、また政治的に公平ではない
など、発言の趣旨とは異なる事実が存在します。

以上のことから、今回の報道での青木氏の発言は事実にそぐわないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」、同第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

2、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
今回の放送では、この問題について全体を通して「改憲勢力がCM枠を買うことがあっては問題だ」「権力側が一方的に有利になってしまう」という立場に立った意見のみが出てきました。

ですがこの問題に関しては「CM以前にそもそもテレビ番組自体がスポンサーの出資で成り立っている」「資金的にはどちら側でもCM枠を買うことができる」といった反対の意見があります。にもかかわらず、今回の報道ではそうした意見を全く取り上げず、あくまで片方の視点に立った論点のみが放送されていました。

以上のことから、この内容は放送法第2章第4条第4項「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。

以上が報告の後編となります。後編では事実と異なる内容を放送したり、一定の立場に偏った内容だけを放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。

① 米国の対中関税25%発動について報道された部分
については前編の報告を、

② 「風を読む」でトランプ大統領の支持率上昇について報道された部分
については中編の報告をご覧ください。

公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。

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