2019年7月14日 サンデーモーニング(中編)

2019年7月14日 サンデーモーニング(中編)

サンデーモーニング、2019年7月14日分の検証報告(中編)です。

今回の報告では、
① イランがウラン濃縮を再開した件について報道された部分
② 輸出上の優遇措置廃止への韓国の反発について報道された部分
③ 番組の最後にて「今週の一枚」について報道された部分
以上3点について検証し、その問題点を探りたいと思います。

検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。

今回はレポートを3つに分け、前中後編でお送りいたします。

中編で検証するのは、
② 輸出上の優遇措置廃止への韓国の反発について報道された部分
となります。

では、さっそく放送内容をみてみましょう。

【VTR要約】
韓国から日本への航空券予約のキャンセルが相次いでいると伝えられる。日本産ビールの売り上げは減少。UNIQLOは韓国の売り上げに一定の影響が出ていることを認め、日本製品不買運動が広がっているとナレーション。日本の輸出規制に怒りの声が上がっているとナレーション。WTO会合では「規制強化は政治的な動機」と主張する韓国と「優遇措置を通常に戻しただけ」と主張する日本の議論は平行線をたどり、韓国大統領府に韓国大手企業30社のトップを招き対策会議を開いたと伝えられる。「前例のない非常事態」と話す文大統領の姿が映し出され、韓国はアメリカに仲裁を求めたとナレーション。「世界の貿易秩序に否定的な影響を及ぼしかねない」と訴える康外相に対し、ポンペオ国務長官は「理解を示した」としていると伝えられる。
韓国はワシントンにも高官を、日本には課長級の貿易担当者2人を派遣。あくまで理解を求めるための説明会として日韓事務レベル会合が行われたが、韓国メディアは「テーブルには黒いごみ」「“いくらなんでもやりすぎ”と不満の声があふれた」と伝えたとナレーション。日本側は韓国から「『措置の撤回要求』や『WTOへの提訴』について言及はなく、立場を理解してもらえたと思う」としていたが、韓国側は「理解も納得も同意もできず撤回を要請した」と明言。これに対し、経産省は急遽会見を行い反論し、理解を求めるはずが逆にこじれる形となったと伝えられ、VTRは終了した。

【アナウンサーによるパネル説明】
・韓国政府は、2015年から4年間で、韓国から違法輸出された戦略物資が156件あったと発表
・フッ化水素はアラブ首長国連邦、ベトナムなどに輸出され、他の戦略物資は北朝鮮と関係が深いイランやシリアなどに輸出されたが、韓国側は「北朝鮮への流出はなし」と説明
・日本側は輸出規制強化について「安全保障上必要な措置」としている
・日本側は「今回の措置は政治的対抗措置ではない」としているが、韓国側は「理解も納得もできない」と反発

【コメンテーターの発言】
寺島実郎氏(全文):韓国の文在寅政権っていうのはね、反日をテコに政権を浮揚するっていう性格を持ってですね、日本人として、何やらイライラするようなですね、テーマにぶち当たってきてることは間違いないと思うんですよ。ただ、ここはね、日本の大きさっていうかですね、だんだん日本もですね、苛立ちとですね腹立ちの中で、トランプ病みたいなのが移ってきてですね、自国利害中心主義でね、少しは蹴り返したらいいんじゃないかみたいな空気が出てくることのこう怖さってかね。で、日本はね、やはりアジアのリーダーとしてですね、一次元上の目線を持ってるんだっていうところを今見せなきゃダメなんですね。で、それが例えばっていうとね、一方でこういうことがですね、安全保障上必要な議論なんだっていうことで議論するならばですね、もう一方でね、2つの国にとってプラスになる構想をね。例えば、後でも話題になりますけども、ホルムズ問題なんかで、エネルギー戦略で、本当に力を携えていかなきゃいけない日中韓のテーマをですね、一緒にテーブルに載せてみようじゃないかって提案とかね。例えば、僕自身が関わってるんですけど、日中韓の大学の単位互換協定ってですね、キャンパスアジア構想っていうのが細々とではあるんですけど続いてんですよ。それは、若い人達を交流の中で育てていくプロブラムなんですよね。東アジアの相互理解を深めようっていうためのね。つまり、プラスの問題と、それからこういうシリアスな問題とをですね、やはりテーブルに乗せながら、日本は何を考えてるんだっていうスケールの大きさっていうのを見せなきゃいけない時期だと僕は思います。

西崎文子氏(全文):そうですね。やはり背景には、長い意味で本当に日韓の歴史認識の違いの問題っていうのがどーんと腰を据えていって、そこがどうしても解決が難しいところだと思うんですけれども。今回の輸出規制っていうのはそれに加えて、やはりグローバルな経済問題。要するに、政治と、それから貿易を、こう結びつける。トランプ流ってのが本当にそうだと思うんですが。それをやってしまうことによって、グローバルにもやはり懸念材料を生み出してしまったということで、それはとても残念なことだと思います。今、寺島さんがおっしゃったこととも重なるんですけども、そうは言っても経団連が、韓国の財界人との定例会合を秋に予定して。これは通例やってることですが。それはもうやっていくっていうことを今の時点で表明していて。やはりそういうふうにあの、政治と経済がタッグを組むだけではなくて、やはり経済、あるいはその文化とか、そういったところで、政治とはまた別の次元での交流っていうのを続けていくっていうのも重要だと思います。

姜尚中氏(要約):私も、韓国はもうちょっとまともにやってくれよと思うところはある。日本政府は今回の措置を徴用工問題と絡めずに、輸出管理の問題であるとの説明を徹底すべき。韓国の新聞各紙で文政権への批判が出てきた。韓国も冷静になってきて日本側のメッセージも伝わったのかなと思う。北朝鮮の問題もあるので安全保障の問題は日米韓で話し合っていくことが必要。グローバルサプライチェーンを壊すことのないようにしなくてはいけない。

涌井雅之氏(要約):韓国国内のポピュリズムの上に文政権は成り立ってきた。日本人はかなり我慢してきたと思う。その結果、法的な概念での延長線上にある考え方(法理)と政治が交錯してきた。不正輸出問題は正しいと思うが、日本政府が政治的にミステイクな発言(徴用工問題と結びつけた発言)をしてしまったのは残念。中東の不安定な情勢をみると、東アジアの安定化は非常に重要なテーマなので、ここはその立ち位置に立って今後の外交を考えてほしい。

松原耕二氏(全文):ただその、日本がいう不適切な事案。これがなんだかよく分からないわけですね。だから、説明も日本はしてない。これがもし肩透かしをくらうような中身があんまりないもんだったら、これは逆に、日本は信用を失うんじゃないかと。そこはちょっと懸念してるんですね。やっぱりでも、いろいろ理由をつけてるけど、やっぱり根源にあるのは徴用工問題。これを何とかしないと、やっぱり解決はない。日韓の改善はないと思いますね。

以上が放送内容となります。

では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは、以下の4点です。

1、寺島氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
2、松原氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
3、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
4、西崎氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている

それぞれ順を追って解説します。

1、寺島氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
寺島氏は今回の報道で、以下のように述べています。

寺島氏(抜粋):韓国の文在寅政権っていうのはね、反日をテコに政権を浮揚するっていう性格を持ってですね、日本人として、何やらイライラするようなですね、テーマにぶち当たってきてることは間違いないと思うんですよ。ただ、ここはね、日本の大きさっていうかですね、だんだん日本もですね、苛立ちとですね腹立ちの中で、トランプ病みたいなのが移ってきてですね、自国利害中心主義でね、少しは蹴り返したらいいんじゃないかみたいな空気が出てくることのこう怖さってかね。で、日本はね、やはりアジアのリーダーとしてですね、一次元上の目線を持ってるんだっていうところを今見せなきゃダメなんですね。で、それが例えばっていうとね、一方でこういうことがですね、安全保障上必要な議論なんだっていうことで議論するならばですね、もう一方でね、2つの国にとってプラスになる構想をね。例えば、後でも話題になりますけども、ホルムズ問題なんかで、エネルギー戦略で、本当に力を携えていかなきゃいけない日中韓のテーマをですね、一緒にテーブルに載せてみようじゃないかって提案とかね。例えば、僕自身が関わってるんですけど、日中韓の大学の単位互換協定ってですね、キャンパスアジア構想っていうのが細々とではあるんですけど続いてんですよ。それは、若い人達を交流の中で育てていくプロブラムなんですよね。東アジアの相互理解を深めようっていうためのね。つまり、プラスの問題と、それからこういうシリアスな問題とをですね、やはりテーブルに乗せながら、日本は何を考えてるんだっていうスケールの大きさっていうのを見せなきゃいけない時期だと僕は思います。

要旨をまとめると、
・韓国の文在寅政権は反日をテコにする性格がある。日本人としてはイライラするが、ここは大きさを見せるべきだ。
・日本も苛立ちのなかで「トランプ病」、すなわち自国中心主義に毒されつつある。少しはやり返してもいいじゃないか、みたいな空気が出てくることは怖いことだ。
・この措置が安全保障上必要だということであれば2国にとってプラスな構想を、例えばエネルギー戦略での日中間の提携を提案したり、東アジアの相互理解のために日中間の大学の単位互換協定を進めたり、日本は一次元上の目線を持つべきだ。

というものです。

しかしながら、
・反日をテコにするのは反日教育を国家主体で進めるなど韓国全体の特徴で、あたかも文在寅政権だけの特徴かのように述べるのは事実に反している。
・危険物品の管理ができない国を優遇措置から外すことは安全保障上当然の措置で、「自国中心主義」「やり返し」という批判は事実に即していない。また「トランプ病」という表現は明らかに政治的公平性を欠く。
・エネルギー戦略での日中韓連携や大学の単位互換協定は、管理貿易の問題とは全く関係ない。また日韓の問題に中国を絡めること、東アジア偏重の姿勢を一次元上の目線と評価することは明らかに不合理で政治的公平性を欠く。

など、発言内容とは異なる事実が存在します。

以上のことから、今回の報道での寺島氏の発言は政治的に公平でなく、また事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」、同第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

2、松原氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
松原氏は今回の報道で、以下のように述べています。

松原氏(抜粋):ただその、日本がいう不適切な事案。これがなんだかよく分からないわけですね。だから、説明も日本はしてない。これがもし肩透かしをくらうような中身があんまりないもんだったら、これは逆に、日本は信用を失うんじゃないかと。そこはちょっと懸念してるんですね。やっぱりでも、いろいろ理由をつけてるけど、やっぱり根源にあるのは徴用工問題。これを何とかしないと、やっぱり解決はない。日韓の改善はないと思いますね。

要旨をまとめると、
・日本の主張する「不適切な事案」が何なのかよく分からない。日本も説明しておらず、これに中身がなければ日本は信用を失う。
・いろいろ理由をつけているが、根源にあるのは徴用工問題だ。これを何とかしないと日韓の改善はない。

というものです。

しかしながら、
・日本の主張する「不適切な事案」の一つとして、「日本から輸出されたフッ化水素が韓国企業で行方不明になった」ことがあるとされており、危険物品の管理ができない国を優遇措置から外すことは安全保障上当然の措置である。世界からの信用を失うとする主張は明らかに事実に反している。
・経産省は国家間の信頼が優遇措置の前提にあると当初から説明しており、これを損ねる徴用工問題を解決する責任があるのは韓国の側である。また、この問題の発端のすべてが徴用工問題にあるとする松原氏の言説は優遇措置廃止に至る経緯をすべて無視しており、事実に反している。

など、発言内容とは異なる事実が存在します。

以上のことから、今回の報道での松原氏の発言は事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

3、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
今回の放送では、この問題について全体を通して「日本は輸出規制などの自国中心主義に陥らず韓国と連携していくべき」「日本の規制は不当だ」という立場に立った意見のみが出てきました。

ですがこの問題に関しては「危険物品を管理できない国を優遇措置の対象から外すだけで自国中心主義ではない」「韓国側の管理体制の改善が必要だ」といった反対の意見があります。にもかかわらず、今回の報道ではそうした意見を全く取り上げず、あくまで片方の視点に立った論点のみが放送されていました。

以上のことから、この内容は放送法第2章第4条第4号「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。

以上が報告の中編となります。後編では(政治的に公平でなかったり、)事実と異なる内容を放送したり、一定の立場に偏った内容だけを放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。

この続きの
② 輸出上の優遇措置廃止への韓国の反発について報道された部分における
 検証3「西崎氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている」

ならびに
③ 番組の最後にて「今週の一枚」について報道された部分
については、後編の報告をご覧ください。

① イランがウラン濃縮を再開した件について報道された部分
については前編の報告をご覧ください。

公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。

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