2019年5月23日 報道ステーション

2019年5月23日 報道ステーション

5月23日の報道ステーションのレポートです。
今回検証するのは以下の点です。

・トランプ大統領来日に関する解説部分

早速放送内容から確認していきます。

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【スタジオ】
富川悠太アナ:トランプ大統領が、明後日、国賓として来日します。主な予定見てみますと、新しい天皇陛下との会見ですとか、日米首脳会談というのは来週の月曜日に行われるんですね。で5月26日日曜日の予定はといいますと、先ほど暑い日になると言いましたが、朝からゴルフに行くそうです。夕方大相撲観戦で、夜は炉端焼きディナーといったように、この日一日で異例のおもてなしを受けるようです。

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【VTR】
ナレーション:トランプ大統領の宿泊先から10km離れた駅でも警戒を強めていました。

記者:都内の駅に設置されているコインロッカーなんですが、このようにテロ対策などのために使えなくなっています。

ナレーション:ここに大統領が立ち寄る予定はありません。利用者からは――。

利用者:スーツケースであす実家に帰るので、学校行く前に入れようと思ってたんですけど。こんな早く閉めてしまって使いたい人が使えないのはちょっと困るかなって。

記者:一番困ってる?

利用者:一番困ってる。

ナレーション:令和初の国賓としてやってくるのは明後日ですが、首都東京はすでに厳戒態勢です。秋葉原駅では、不審物がないか警察犬が鼻を利かせていました。テロに備えては、マシンガンを装備した警視庁の緊急時初動対応部隊ERTも出動するようです。今回の来日では異例のもてなしぶりが目立ちます。トランプ大統領が来日する日には、外務省の依頼で東京スカイツリーが星条旗カラーに。そして翌日曜日、ゴルフ好きのトランプ大統領を安倍総理が朝からもてなします。プレイする千葉のゴルフ場では昨日、大統領専用ヘリが降り立ちました。移動のリハーサルとみられています。ただ二つのホールがヘリの離着陸用に使われるため、プレイは16ホールで切り上げるそうです。昼過ぎには都内に戻るため、首都高の交通規制も行われます。こちらの区間で一時通行止めとなります。夕方のもてなしは、格闘技好きで知られるトランプ大統領に安倍総理が提案した大相撲観戦です。警備しやすい貴賓席ではなく、マス席で観戦する予定です。マス席は警備などのためか、すでに埋まっているとのことです。

相撲ファン:なんでわざわざマスなんだろうという疑問はありますね。他の人に迷惑をかけてまでどうなのかなとは思います。

相撲ファン:アメリカ人に日本の相撲を理解して貰えるということで、いいんじゃないですか。ウェルカムだね。

ナレーション:そして夕食をとる炉端焼き店の近くでは、すでに。

記者:大統領夫妻が夕食をとる予定の炉端焼き店周辺では、このように検問が行われるなど、厳重な警戒態勢が敷かれています。

ナレーション:安倍総理としては異例のもてなしでトランプ大統領との蜜月をアピールしたい考えです。

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【スタジオ】
富川悠太アナ:後藤さん、異例っていう言葉がつくほどおもてなしをする理由ってなんですか。

後藤謙次氏:これはまさに日米間いまいろんな問題を抱えてますよね、たとえば米中間のあいだでどうするのか、こういうこまごまとしたというか、かなり大きい問題を、あまりこの日米首脳会談で表面化させたくないと。その意味で精一杯のもてなしをする。政権幹部ですら「日本満喫ツアー」と言ってますから、それによってあまり個別の問題に入りたくないと。そこで非常に注目されているのは、ライトハイザーさん、USTRの代表ですね、彼が来るか来ないか、これにかなり関心が集まってるんですが、いよいよ先乗りしてくると。おそらく茂木大臣といっしょにお二人で、日米貿易問題を話し合うということになりますから、そこで個別問題に入り込める可能性がある。それと安倍さんにとって一番困るのが、いま米中貿易戦争のただ中で、日本の立ち位置はどうなんだと突きつけられることなんですね。ですから今回はとにかく令和新時代の最初の国賓としてやって来てくださるんですから、せいぜいそういった堅いことは言わずに、友好親善、それ一本でいきましょうというのが日本の基本的なスタイルなんです。

富川悠太アナ:ただライトハイザーさんが核になりそうだと。

後藤謙次氏:しかもディーラーのトランプさんですからね。何を切り出されるか。その辺は不安でしょうがないってとこでしょうね。

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【検証部分】
今回検証する発言は以下の部分です。

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富川悠太アナ:後藤さん、異例っていう言葉がつくほどおもてなしをする理由ってなんですか。

後藤謙次氏:これはまさに日米間いまいろんな問題を抱えてますよね、たとえば米中間のあいだでどうするのか、こういうこまごまとしたというか、かなり大きい問題を、あまりこの日米首脳会談で表面化させたくないと。その意味で精一杯のもてなしをする。政権幹部ですら「日本満喫ツアー」と言ってますから、それによってあまり個別の問題に入りたくないと。そこで非常に注目されているのは、ライトハイザーさん、USTRの代表ですね、彼が来るか来ないか、これにかなり関心が集まってるんですが、いよいよ先乗りしてくると。おそらく茂木大臣といっしょにお二人で、日米貿易問題を話し合うということになりますから、そこで個別問題に入り込める可能性がある。それと安倍さんにとって一番困るのが、いま米中貿易戦争のただ中で、日本の立ち位置はどうなんだと突きつけられることなんですね。ですから今回はとにかく令和新時代の最初の国賓としてやって来てくださるんですから、せいぜいそういった堅いことは言わずに、友好親善、それ一本でいきましょうというのが日本の基本的なスタイルなんです。
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この発言の問題点は以下の2点です。

1. 多くの論点をとりあげた発言であったか
2. 印象操作と思われる発言があった

1点目から見ていきます。
後藤氏は解説の中で、今回のトランプ氏来日に関して日本が最も困るのは、米中貿易戦争に関する日本の意見が表面化することであると述べています。
しかし、この主張には根拠がありません。

米中貿易戦争に関して現在の日本のポジショニングはどうなのか、なぜ今この問題を取り上げて欲しくないのか、今後どうあることが望ましいのか、などといった論点を明確にすることが求められると思われます。

このような論点を明確にしない発言は以下の放送法に抵触する恐れがあります。

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放送法4条
(4)意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること
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続いて2点目の問題点について見ていきます。

後藤氏は解説の中で、日本として取り上げて欲しくない問題があるために、トランプ大統領一行を精一杯おもてなしする、と述べています。

しかし、同盟国であるアメリカの首脳を国賓として招くのですから、誠心誠意おもてなしする、これは当然のことです。

また今回が異例とも言えるおもてなしだ、と報道されていましたが、これまでのトランプ氏来日もトランプ氏が好みのものを会談中にお出しするなど、熱心なおもてなしを行ってきました。

日本にとってやましい事情があるために、今回は特別なおもてなしを行うというわけでは必ずしもありません。

このような報道は視聴者に誤った印象を与えかねず、我々は問題であるととらえます。

視聴者の会は公正なテレビ放送を目指して今後も監視を続けてまいります。

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