2019年5月28日 報道ステーション

2019年5月28日 報道ステーション

5月28日の報道ステーションレポートです。

今回検証する点は以下の点です。

・日米関係に関する後藤氏の発言

早速、放送内容を確認していきます。
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【VTR】
ナレーション:トランプ大統領は事実上の空母に改修されることが決まっている護衛艦「かが」に乗艦しました。

テロップ:大統領として初めて護衛艦に――

トランプ大統領:日本は新型戦闘機「F35」を105機購入する意向を示してくれた。日本は「F35」を最も多く保有する同盟国になる。

安倍晋三総理大臣:日米同盟は私とトランプ大統領の下でこれまでになく強固なものになった。

ナレーション:アメリカ合衆国の強襲揚陸艦「ワスプ」も訪問しました。「かが」と「ワスプ」は対中国を念頭にした合同訓練を重ねていて、今日の視察は中国を牽制する狙いもあります。このあと帰国の途につきました。

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【スタジオ】
森川夕貴:これまで4日間でこれだけの日程があった訳なんですけども、後藤さん、日本側の成果としてはどういったものがあったのでしょうか。

後藤謙次氏:安倍総理周辺にいる政権幹部は、今回は日米同盟、安倍外交の基軸が確認できたという意味では評価したいということなんですが、いずれも今後の展開を安倍総理がどうされるかというところだと思います。当面国際社会が注目してるのは安倍総理の6月中旬のイラン訪問です。
イランとアメリカは非常に関係が悪化していますから、緊張関係を安倍さんの仲介外交がどこまで成果を上げられるか。
それからもう一つは日米間の問題ですよね。貿易の問題について日本側がどこまで主張できるのか。
昨日トランプ大統領が記者会見の途中で、TPPには縛られないと安倍さんの前で突然言ったとき、安倍さんちょっと顔がうっとなった感じがあったんですが、そのときに安倍総理は日本はTPPの基準は下回らないんだという原則論をぴしっと言うっていうことが非常に大切だったわけですね。
外交というのはそれぞれの立場、国益を背景にしながら言うべきことを言うんだと、これが外交なんですが、その部分ではトランプさんに押されっぱなしの印象を受けたという気がします。

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【検証部分】

今回取り上げる部分は以下の部分です。

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後藤謙次氏:安倍総理周辺にいる政権幹部は、今回は日米同盟、安倍外交の基軸が確認できたという意味では評価したいということなんですが、いずれも今後の展開を安倍総理がどうされるかというところだと思います。当面国際社会が注目してるのは安倍総理の6月中旬のイラン訪問です。
イランとアメリカは非常に関係が悪化していますから、緊張関係を安倍さんの仲介外交がどこまで成果を上げられるか。
それからもう一つは日米間の問題ですよね。貿易の問題について日本側がどこまで主張できるのか。
昨日トランプ大統領が記者会見の途中で、TPPには縛られないと安倍さんの前で突然言ったとき、安倍さんちょっと顔がうっとなった感じがあったんですが、そのときに安倍総理は日本はTPPの基準は下回らないんだという原則論をぴしっと言うっていうことが非常に大切だったわけですね。
外交というのはそれぞれの立場、国益を背景にしながら言うべきことを言うんだと、これが外交なんですが、その部分ではトランプさんに押されっぱなしの印象を受けたという気がします。
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この発言の問題点は以下の2点です。
・印象操作と思われる発言があった
・多くの論点を取り上げた放送ではなかったと思われる

1点目から見ていきます。
後藤氏はトランプ大統領の発言への安倍総理の反応について、後藤氏が感じたことを根拠に述べていました。
後藤氏の発言を以下に引用してみます。

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「安倍さんちょっと顔がうっとなった感じがあった」
「トランプさんに押されっぱなしの印象を受けたという気がします。」
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このような後藤氏の主観や印象を根拠にしての解説は視聴者に印象を与えてしまう恐れがあります。
テレビ放送での発言は公正で客観的な事実が求められています。

我々はこのような印象や主観による発言を問題であるととらえます

2点目の問題点について見ていきます。

後藤氏は、日米貿易交渉についてTPPの基準を下げて譲歩すべきではない、日本の国益を考えて主張すべき、といった趣旨の発言をしていました。

こういった主張に関しては間違っているかどうかというのは、議論する余地がある話でしょう。

しかし、当然ながら外交の話は日本だけで完結する話ではありません。
日本にとってアメリカは安全保障上においても重要なパートナーであり、北朝鮮問題に関しても日米で足並みをそろえて、対処していく必要があります。

令和初の国賓であり、国際情勢が揺らいでいるときに、日本の貿易という観点からのみ国益を主張しても、日本にとって必ずしも良い結果になるとは限りません。

このような一方向からの解説は以下の放送法に抵触する恐れがあります。

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放送法4条
(4)意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること
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視聴者の会では公正なテレビ放送を目指して、今後とも監視を続けてまいります。

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