2019年6月25日 報道ステーション

2019年6月25日 報道ステーション

6月25日報道ステーションのレポートです。

今回検証するのは、以下の点です。

・国会運営に関するスタジオ解説

それでは早速放送内容を確認していきます。
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【スタジオ】
徳永有美アナ:続いて、こちらは今日の国会です。安倍内閣の不信任決議案は与党などの反対多数で否決されました。これで国会は事実上閉会となり、いよいよ参議院選挙に向かいます。年金問題が最大の争点になりそうだと昨日お伝えしましたが、積み残された論点はまだまだ他にもあります。

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【VTR】
ナレーション:今日、衆議院で、内閣不信任決議案の審議が行われました。野党側は安倍内閣を退陣に追い込むとしますが、当の総理や大臣はこの表情です。

立憲民主党枝野幸男代表:安倍内閣が不信任に値する理由は枚挙にいとまがありませんが、初めに指摘しなければならないのは、国民生活に直結する年金と消費税に関する無責任かつ不誠実きわまりない姿勢です。

ナレーション:一方、与党側は。

自民党萩生田光一幹事長代行:各党の思惑がバラバラ、ブレブレの末、会期末だからやっぱり出しておこうという程度の物で、政権交代の決意も、日本をリードしていく覚悟も微塵も感じられない。慣例行事、年中行事としか言えません。

ナレーション:年金問題では麻生財務大臣が金融庁の報告書を受け取らなかったことについて、追及が続きました。

立憲民主党長妻昭代表代行:年金100年安心という言葉によって自縄自縛に陥り、年金で生活できないという現実までも否定するというのは、いくら何でも無理筋ではないでしょうか。

公明党佐藤英道衆院議員:野党が年金不安を煽るのは選挙目当ての党利党略にほかならず、全く無責任な態度と言わざるを得ません。

ナレーション:年金問題の渦中にいる麻生財務大臣は、審議に先立ち。

記者:世論調査で参院選で何を重視するか聞くと「年金・社会保障制度」というのが一番多く、6割に達したが、これについてはどう臨まれますか。

麻生太郎財務兼金融担当大臣:参議院の結果次第でそれが出てくるんだと思います。答えが出ますから、そういう話は。内閣支持率は1ヶ月の間にどれくらい下がりました?

記者:数%ですね。

麻生太郎財務兼金融担当大臣:ほとんど下がんなかったろ。年金が影響しているというのと、内閣支持率が変わってないというのは、どういう具合に考えるんですかね。これはどう考えるんですかってきいてるんだよ、俺が。

記者:まだ分析し切れてないです。

ナレーション:あす、国会は会期末を迎え、夏の参議院選挙も間近です。今日野党側は、安倍総理が国会での説明責任を果たしていないと批判しました。

立憲民主党枝野幸男代表:この国会では内外に重要な諸課題があるにも関わらず、150日間の会期のうち実に115日以上にわたり予算委員会を開こうとせず、国民に対する説明責任から逃げ回ってきました。見苦しい限りと言わざるを得ません。

自民党萩生田光一幹事長代行:口を開けば予算委員会と壊れたレコードのように繰り返しますが、安倍総理は昨年1年間で国会に270時間以上出席し、予算委員会だけでも合計で190時間出席し、野党の皆さんの質問に対して一つ一つ丁寧に真摯に説明をし続けています。

ナレーション:予算委員会は、総理や大臣が出席してあらゆる政策を議論する重要な場です。今国会での開催は、衆参合わせて30日と、この10年間で最も少なく、衆議院では4ヶ月近く開かれていません。積み残しの課題も少なくありません。

共産党志位和夫委員長:景気悪化の局面での増税の強行など、歴史的にも前例がない愚行と言うほかありません。

国民民主党泉健太政調会長:イージス・アショア。この候補地選定にかかる防衛省の調査はお粗末で、呆れて言葉もありません。

無所属 野田佳彦前総理大臣:総理は日朝首脳会談を無条件で開催する意向を明らかにしました。大きな路線変更ですが、明確な説明は全くありません。

ナレーション:野党の中でも、日本維新の会は反対に回りました。

日本維新の会足立康史衆院議員:念のため申し上げますが、反対と申し上げたのは別に自民党や公明党と行動を共にしたいからではなく、共産党と同じ行動をとるのが死んでも嫌だからであります。

ナレーション:採決の結果、「安倍内閣不信決議案」は与党などの反対多数で否決されました。これで今国会は事実上の閉会となります。

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【スタジオ】
徳永有美アナ:後藤さんはこの国会をどのように総括されますか。

後藤謙次氏:そうですね。解散権をちらつかせて野党の腰が砕けたと。だらしなさもあったんですが、その一方でこれだけ長く審議拒否をしてしまったという政権はあまり記憶にないんですね。つまり安倍一強がゆえに空洞化を国会はしてしまったということは言えると思うんですね。とりわけ参議院の予算委員会なんですね、これは参院規則という、国会法に次ぐ重みのある約束なんですが、このルールに基づいて委員会の開会を要求したんですが、委員長はずっとそれを無視し続けてしまったわけです。渡辺総理含め、さっきの萩生田さんもそうですが、総理は非常に長時間国会で答弁してるんだと、こう言うんですが、それとルールは全く別なんですね。昨年大島衆議院議長がですね、異例の書簡を発表して、とにかく国会が論戦の府だと、弁論の府だと、それを取り戻せと言ったんですが、まったくそれができていませんよね。

徳永有美アナ:そうですよね。結局のところ、これだけの問題がまだまだ残っていると。

後藤謙次氏:これだけに限らず、さらにいっぱいあるということなんですね。しかしどれ一つ深堀されてこなかった。つまり参議院選前ですから、より与野党の違いというのを我々は知りたかったわけですね。それもないまま閉幕をしてしまうという、非常に情けない国会になってしまいましたね。確かに今年は4月に統一地方選挙がある。あるいは平成から令和へと代替わりがあったわけですね。政治休戦があったのも事実なんですが、やりようによっては終わったあとに徹底議論というのは必ずできた筈なんですね。それを無視したと、国会全体の責任が問われると、そういう国会だったと思いますね。

徳永有美アナ:国会軽視と言われてもしょうがないんですかね。

後藤謙次氏:しょうがないと思いますね。

徳永有美アナ:このような問題がまだ残っているんですが、有権者はどのような判断を下すのでしょうか。

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【検証部分】

今回検証する発言は以下の部分です。

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徳永有美アナ:後藤さんはこの国会をどのように総括されますか。

後藤謙次氏:そうですね。解散権をちらつかせて野党の腰が砕けたと。だらしなさもあったんですが、その一方でこれだけ長く審議拒否をしてしまったという政権はあまり記憶にないんですね。つまり安倍一強がゆえに空洞化を国会はしてしまったということは言えると思うんですね。とりわけ参議院の予算委員会なんですね、これは参院規則という、国会法に次ぐ重みのある約束なんですが、このルールに基づいて委員会の開会を要求したんですが、委員長はずっとそれを無視し続けてしまったわけです。安倍総理含め、さっきの萩生田さんもそうですが、総理は非常に長時間国会で答弁してるんだと、こう言うんですが、それとルールは全く別なんですね。昨年大島衆議院議長がですね、異例の書簡を発表して、とにかく国会が論戦の府だと、弁論の府だと、それを取り戻せと言ったんですが、まったくそれができていませんよね。

徳永有美アナ:そうですよね。結局のところ、これだけの問題がまだまだ残っていると。

後藤謙次氏:これだけに限らず、さらにいっぱいあるということなんですね。しかしどれ一つ深堀されてこなかった。つまり参議院選前ですから、より与野党の違いというのを我々は知りたかったわけですね。それもないまま閉幕をしてしまうという、非常に情けない国会になってしまいましたね。確かに今年は4月に統一地方選挙がある。あるいは平成から令和へと代替わりがあったわけですね。政治休戦があったのも事実なんですが、やりようによっては終わったあとに徹底議論というのは必ずできた筈なんですね。それを無視したと、国会全体の責任が問われると、そういう国会だったと思いますね。

徳永有美アナ:国会軽視と言われてもしょうがないんですかね。

後藤謙次氏:しょうがないと思いますね。

徳永有美アナ:このような問題がまだ残っているんですが、有権者はどのような判断を下すのでしょうか。

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この発言の問題点は以下の点です。

・印象操作と思われる発言があった可能性がある
・事実と異なる発言があった可能性がある

1点目から見ていきます。

後藤氏は安倍一強によって国会が空洞化してしまったと思うと述べていますが、この発言には根拠がなく、後藤氏の主観によるものです。

参院で予算委員会が開かれなくなった背景は様々なことが考えられます。

近年の「共謀罪」「森友問題」「加計学園問題」などをひたすらに追及する野党によって国会が空転したことや、あるいは衆参同日選挙の可能性があったことなどが考えられます。

こういったことから「安倍一強」によって国会が空洞化したというのは、視聴者に誤った印象を与えかねません。
こういった印象操作と思われる発言を我々は問題であるととらえます。

次に2点目の問題点について見ていきます。
後藤氏の発言を要約すると、様々な問題を無視したまま国会が閉会してしまったことは国会軽視である、といったことを述べています。

この積み残した様々な問題を「無視」したというのは事実に反する可能性があります。

そもそも今回扱われていた予算委員ですが、予算に関する実質的な予算審議が行われないということは珍しいことではありません。
実際に2008年~2010年の間は通常委員会で実質的な審議が行われませんでした。

また今年は参院選挙があり、衆参同日選挙の可能性から日程的に審議が難しかったということも考えられます。

後藤氏が言うような議題を意図的に無視したという発言事実に関する恐れがあり、以下の放送法に抵触する恐れがあります。

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放送法4条
(3)報道は事実をまげないですること
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視聴者の会は公正なテレビ放送を目指して監視を続けてまいります。

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