2019年8月4日 サンデーモーニング(後編)

2019年8月4日 サンデーモーニング(後編)

TBS「サンデーモーニング」、2019年8月4日放送回の検証報告(後編)です。

今回の報告では、
① 韓国によるGSOMIA破棄の示唆について報道された部分
② 輸出優遇措置撤回に対する韓国の対抗措置について報道された部分
③ 「表現の不自由展」中止について報道された部分
以上3点について検証し、その問題点を探りたいと思います。

検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。

今回はレポートを3つに分け、前中後編でお送りいたします。

後編で検証するのは、
② 輸出優遇措置撤回に対する韓国の対抗措置について報道された部分における
検証4「青木氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている」

ならびに、
③ 「表現の不自由展」中止について報道された部分
となります。

では、さっそく②の検証3をみてみましょう。

4、青木氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
青木氏は今回の報道で、以下のように述べています。

青木氏(抜粋):本音はね、過去の話をいつまでも持ち出してきて。韓国がね。で、合意も守らないと。だから、懲らしめるんだ。一泡吹かしてやるんだっていうのが、多分これ本音だと思うんですけれども、

しかし、そのこれ当初は徴用工のことで信頼関係が崩れたって言ってたのに、今は安保の問題って言い出してるわけですよね。つまり、これ、韓国としても、何をしていいのかよくわからないような状況に追い込まれてるって言えるわけで。

で、そもそも安保で信じらんねって言ったら、姜さんがおっしゃいましたけど、これ、日本と韓国の根本的な問題ですよね。北朝鮮政策でも外交関係でも、お前本当に信用できない奴だって言っちゃたにも等しいわけで。これ、どうなるのか。

で、そもそもこれ、韓国内でも当初は、文在寅政権の態度にも問題あったよねっていう論調がメディアにもあったんですね。つまり、ずっと日本から言われてる放りっぱなしじゃないかって批判もあったんだけれど、先ほどVTRにもあったように、この今回のホワイト国からの除外で、僕が見てる限り、ほぼ韓国メディアで文在寅政権批判の論調が消えましたよね。つまりむしろ、国がまとまって、反発でまとまってしまって国会でも日本政府の撤回決議出したんだけど、これも前回は一致で決議してるんですよ。

つまり、日本政府が何を目指してるのか。むしろ韓国を頑なにして頑なにして、解決するような状況じゃなくなっちゃってる。つまり、何も落としどころを考えないで、感情的に、こう、なんていうのかな。いろんな通商圧力を振り回すっていうのは、僕はこれ本当に愚かなことだと思いますよ。

(関口氏の「両政権とも、国民の動きを見てるでしょ。国民がまず冷静でいなきゃいけませんよね」という発言に対し)国民は、でもやっぱりこうなってくると煽られるんですよ。だから本来は、政治とそれから我々のようなメディアが煽っちゃいけないのに、今はもう完全に煽るモードに入って、文在寅政権の支持率も上がってきてるんですよね。だからもう本当にそも、両政権の責任でちゃんと向き合って、どっかで落としどころを見つけていただかないと、もうこれ本当泥沼ですよね。

要旨をまとめると、
・日本政府の本音は歴史問題をいつまでも持ち出して合意を守らない韓国に一泡吹かせてやれ、というものだ。
・日本政府は当初徴用工問題で信頼が崩れたと言っていたが、今は安全保障の問題と言っている。韓国としては何をしていいかわからないというのが現状だ。
・安全保障で信用できないというのは日韓の関係を根本から覆すもので、北朝鮮政策でも外交関係でも「お前本当に信用できない奴だ」と言ってしまったに等しい。
・韓国国内でも文政権の対応に問題があるという論調がメディアにもあったが、ホワイト国除外でメディアも議会も一気にまとまった。日本政府が感情的に通称圧力を振りかざし、韓国の態度を硬化させる一方で落としどころを考えていないからだ。
・冷静であるべき両国の政治やメディアが国民を煽ってしまい、文政権の支持率も上昇している。両政権の責任でちゃんとと向き合い落としどころを見つけるべきだ。

というものです。

しかしながら、
・今回の措置は安全保障上の懸念を払しょくするためのものであり、歴史問題は何ら関係がない。また「一泡吹かせてやれ」というような表現を用いて日本政府に反感を持たせるような印象を与えることは明らかな偏向報道で政治的に公平とは言えない。
・日本政府はこの問題について一貫して安全保障の問題だと説明しており、当初は徴用工問題のせいだと説明していたという主張は明らかに事実に反している。また同様に日本は韓国の抱える問題を明確に指摘しており韓国が何をしていいかわからないという主張は事実とは言えない。
・緊密な意思疎通ができない、北朝鮮のミサイルに関わる恐れのある物品の管理ができないなど安全保障に関わる懸念を抱える韓国の信頼を問うことは極めて合理的なことである。仮に日韓関係が根本から覆るとしてもそれは安全保障上の懸念を抱える韓国側に原因があり、あたかも日本の指摘が原因かのように主張することは事実に反しており、また一方的に韓国の肩を持つ政治的に偏った主張である。
・韓国国内のメディアや議会の反応は、日本が安全保障上取るべき措置の必要性に何ら影響を与えるものではない。また、日本政府が感情的に通称圧力を振りかざして落としどころを考えないという主張は事実に即していない。
・日本政府は極めて冷静に管理貿易の課題に対応しており、日本政府も冷静さを欠き国民を煽っているという主張は事実とは言えない。

など、発言内容とは異なる事実が存在します。

以上のことから、今回の報道での青木氏の発言は政治的に公平でなく、また事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」、同第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

続いて、
③ 「表現の不自由展」中止について報道された部分
となります。では、放送内容を見ていきましょう。

【VTR要約】
 愛知県で開かれている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」で表現の自由への問題提起をした企画展について、愛知県は展示の中止を決めた。従軍慰安婦を象徴する少女像などが出品されていたが、名古屋市長から展示中止の要請があり、事務局にも批判が殺到していた。愛知県には「ガソリン携行缶をもっていく」という内容のFAXが届き、県は警察に相談して対応を検討していくとしている。

【コメンテーターの発言】
青木理氏(全文):いや、極めて残念ですよね。脅迫めいた電話なんては論外ですし、気になったのは、政治家とか政府の高官が、いろいろ発言してけしからん的なことを言っていて、これってのは、ある種芸術への政治の介入になりますから、僕は考えて欲しいし、公的資金がこのトリエンナーレに入ってるってってことについて、政府に中心に批判的なのは、芸術に公的資金を入れるのはどうかなんて議論もあるんだけど、これ別に、政府の金じゃないですからね。税金ですから。つまり独裁国家でもあるまいし、そういう議論も気になるし、これが前例になるってのを僕は恐れますけれども、ただちょっと皮肉を込めて言うと、あいちトリエンナーレの展示室を越えてね、この表現の不自由展っていうタイトルだったわけですけれども、ある種その日本社会全体で、今の日本の現状っていうかね、日本の表現に対する現状、不自由点ってのを展示室を越えて演じてしまったっていうようなところもあるのかなと。ただ怖いのは、これが前例となる、繰り返しますけど、前例となってこういう、その表現ってのがどんどんどんどん萎縮していくってことがあるのは怖いので、それだけは気をつけたいと思いますけど。

以上が放送内容となります。

では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは、以下の2点です。

1、青木氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
2、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている

それぞれ順を追って解説します。

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1、青木氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
青木氏は今回の報道で、以下のように述べています。

青木氏(抜粋):いや、極めて残念ですよね。脅迫めいた電話なんては論外ですし、気になったのは、政治家とか政府の高官が、いろいろ発言してけしからん的なことを言っていて、これってのは、ある種芸術への政治の介入になりますから、僕は考えて欲しいし、公的資金がこのトリエンナーレに入ってるってってことについて、政府に中心に批判的なのは、芸術に公的資金を入れるのはどうかなんて議論もあるんだけど、これ別に、政府の金じゃないですからね。税金ですから。つまり独裁国家でもあるまいし、そういう議論も気になるし、(中略)ただ怖いのは、これが前例となる、繰り返しますけど、前例となってこういう、その表現ってのがどんどんどんどん萎縮していくってことがあるのは怖いので、それだけは気をつけたいと思いますけど。

要旨をまとめると、
・政府の高官や政治家がいろいろ発言しているが、これは芸術への政治の介入である。
・公的資金が投入されているという批判があるが、これは政府の金ではなく税金である。日本は独裁国家ではないため何に使おうが問題にはならない。
・これが前例となり、こうした表現がどんどん萎縮していくことが怖い。

というものです。

しかしながら、
・今回の芸術展は行政が関与し公的資金が投入されているため、政治家や官僚がその関与について見解を述べることや、外国国章損壊罪の疑いがあったり歴史問題や天皇制などについて偏った政治的立場を取ったりする展示について行政が関与すべきかどうかを見極めるため動くことは否定されない。またこうした言動がそのまま中止を決定させたわけではない。
・行政に公平性が求められるのは当然のことであり、公的資金の使い道に公平性が求められることもまた当然である。公的資金は国民から広く集めた税金だから何に使っても問題ないという主張は明らかな詭弁で事実に即していない。
・特定の政治的主張に非常に偏った表現を集めた展示会について、こういう表現が萎縮してはいけないとする主張は政治的に公平とは言えない。

など、発言内容とは異なる事実が存在します。

以上のことから、今回の報道での青木氏の発言は政治的に公平でなく、また事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」、同第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

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2、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
今回の放送では、この問題について全体を通して「あいちトリエンナーレの表現は表現の自由にとって重要で意義のあるものだ」「公的資金を投入することに何の問題があるのか」という立場に立った意見のみが出てきました。

ですがこの問題に関しては「芸術や表現の自由は、それに対する反論を封殺するものではない。酷い芸術に批判が出るのは自然なことだ。」「特定の立場に偏った主張に公的資金を投入すべきではない。」といった反対の意見があります。にもかかわらず、今回の報道ではそうした意見を全く取り上げず、あくまで片方の視点に立った論点のみが放送されていました。

以上のことから、この内容は放送法第2章第4条第3号「政治的に公平であること」、同第4号「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。

以上が報告の後編となります。後編では政治的に公平でなかったり、事実と異なる内容を放送したり、一定の立場に偏った内容だけを放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。

① 韓国によるGSOMIA破棄の示唆について報道された部分
については前編の報告を、

② 輸出優遇措置撤回に対する韓国の対抗措置について報道された部分
については中編の報告をご覧ください。

公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。

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