2019年8月11日 サンデーモーニング(前編)

2019年8月11日 サンデーモーニング(前編)

TBS「サンデーモーニング」、2019年8月11日放送回の検証報告(前編)です。

今回の報告では、
① 南北朝鮮の経済協力で日本に追いつくという文大統領の発言について報道された部分
② あいちトリエンナーレの展示中止について報道された部分
③ 森友問題における佐川氏の不起訴について報道された部分
以上3点について検証し、その問題点を探りたいと思います。

検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。

今回はレポートを3つに分け、前中後編でお送りいたします。

前編で検証するのは、
① 南北朝鮮の経済協力で日本に追いつくという文大統領の発言について報道された部分
となります。

では、さっそく放送内容をみてみましょう。

【VTR要約】
 北朝鮮はここ2週間で飛翔体を5回発射した一方、文在寅大統領は北朝鮮に接近するかのような発言を始めた。文大統領は輸出管理上の最優遇国から韓国の除外を決めた日本を改めて非難し、日本への依存度が高い品目について競争力強化策を発表した。さらに、文大統領は南北間の経済協力で日本に追いつきたい考えを明らかにした。しかし北朝鮮はミサイルを相次いで発射し、韓国に対し冷たい目線を向けている。
 韓国・ソウルで日本製品の不買などを呼びかける旗100本が設置されたが、わずか数時間で撤去された。市民からは「やりすぎだ」との声が上がり、大統領府には撤去を求める請願が2万件寄せられた。
一方、経産省は輸出管理を強化した品目の一部について初めて輸出許可を出した。しかし文大統領は強硬な姿勢を崩さなかった。

【アナウンサーによるパネル説明】
・文大統領は「南北間の協力で我々は一気に日本に追いつける」と北朝鮮に接近するような発言をした
・北朝鮮には地下資源が600兆円相当眠り、安い労働力が2500万人いるため、これを利用して経済成長を図ろうとしているのではないか(辺真一氏)
・国の体制も歴史も全く違う南北間で本当に統一できるのか、韓国国内からも疑問の声が上がっている

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【コメンテーターの発言】
寺島実郎氏(要約):この局面を打開する大きなポイントは指導者の力量・見識以外にない。日本は東アジアに対して、より大きな次元の構想力でどう進んでいくかの構想を示す大きな転換期だと思う。日韓はいつもギクシャクして、結局いつもアメリカに頼っている。日本が一歩前に出て大きな方向感を示さなければいけない時。少なくとも若者の東アジアの交流プログラムだけの維持・拡大だけは続けていかなければならない。

浜田敬子氏(全文):あの、VTR見ても、韓国の市民の方の方がすごく冷静ですよね、指導者よりも。そこがすごく救いだなというふうに感じました。やっぱり、その安倍政権と、その日本に対して、日本国民に対しての感情を開けようということを、結構その、あの能動的にやっぱり行動してるのを見てですね、ただ一方でやっぱ少し前まで、こういったその、反日ということに対して文在寅が色々言ってもですね、大統領の支持が上がらなかったのが、ここにきて少しずつそれがこう、支持率につながっているというのは気になります。一方で日本は、やっぱりその安倍政権は今回のその韓国の輸出規制に対してですね、支持をする人が増えてますよね。かなり大部分の方が支持をしてらっしゃる。でもやっぱりそのことが本当に日韓関係にとってということと、まあ日本の経済にとってもどういう影響があるのかってことを私も含めて冷静に考えていかなきゃいけないなということを感じます。

谷口真由美氏(全文):あの、先日学生さんと話してたら、なんで日韓ってあんなに揉めてるんですかって聞かれたんですね。で、しかもどっちがアメリカに味方してもらえるかっていうのを争ってるような気がしますというふうに言われたときに、なるほどそれはさっき寺島さんがおっしゃったみたいに、アメリカを味方につけるということが、こう一つの目標になってるんじゃないかっていうふうに見えることもあるんですね。で、その子達が言ったのは、面子でやるんじゃなくて、やっぱり僕たちはその隣の国として仲良くやりたいと思っているので、外交は外交でやって欲しいけど外交ってなんのためにあるんですかねって言われた時に、これ本当に政治家の皆さんに聞いていただきたいね、それは日韓両国の政治家に聞いていただきたい言葉だなと思いましたね。

涌井雅之氏(要約):北朝鮮が軍事的な際どい迫り方をしている中で、南北が協調して一体化すれば日本に追いつけるっていう発想が出てくること自体、私には信じられない。政治家は志を持つことは大事だが、それを超えた現実感をどう持つのかが求められるので、そこを履き違えていると思う。自分の支持率を維持して理想を実現するために、嫌日で集票することに走っているのが非常に残念。

松原耕二氏(全文):先ほどの動きを見てると思うのは、政治ってのはことを治めるのが政治なはずなのに、政治が火をつけてる感じがしますよね。文在寅大統領をいろいろ聞くとですね、やっぱり側近たちは日本との関係を修復しようじゃないかっていう提言を何回もしてるんだけど、耳を全く貸さないらしいんですね。一方でじゃあ日本はどうかというと、今回のいろんな措置が政治主導の面が強すぎてですね、結構予想以上におそらく反発が来てると言うので、慌てて沈静化を図ろうとしているっていうのが実際のところだと思うんですが、でもだからこそ、あの反日旗を撤去したっていうのは私はもう救いだと思うんですね。つまり、官が言ったことを民が、ちょっといい加減にしてくれ、そこまで行くなと。その、この間ですね、韓国と日本の、日韓の学者さんと政治家とジャーナリストが議論する日韓未来対話にパネリストとして参加したんですけど、そこですごく面白い世論調査があって、韓国側は日韓が悪化してもそれに反比例するかのように日本への好感度、日本人への好感度がさらに上がってるんですね。これまでにないくらい。つまりい切り分けてるんですね。そこはね。だからああいう、反日旗の撤去も出てくると。そういう意味では、政治が作ったものを政治が治めるのは実はすごく難しいんですよ。自分で火をつけたもんですから。だからそういう意味では、やっぱり民間がこれからもうどんどん今、経済的にも、先ほど交流の話もありましたけど影響を受けてますから、民間が声をあげて政治をストップかけるという。対話しましょうよと。行き過ぎないのが良いですよと言う、民間から声を出すというのがキーじゃないかなっていうふうに、あの反日旗の話を見て、ちょっと思いましたね。

以上が放送内容となります。

では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは、以下の3点です。

1、浜田氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
2、谷口氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
3、松原氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
4、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている

それぞれ順を追って解説します。

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1、浜田氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
浜田氏は今回の報道で、以下のように述べています。

浜田氏(抜粋):あの、VTR見ても、韓国の市民の方の方がすごく冷静ですよね、指導者よりも。そこがすごく救いだなというふうに感じました。やっぱり、その安倍政権と、その日本に対して、日本国民に対しての感情を開けようということを、結構その、あの能動的にやっぱり行動してるのを見てですね(中略)一方で日本は、やっぱりその安倍政権は今回のその韓国の輸出規制に対してですね、支持をする人が増えてますよね。かなり大部分の方が支持をしてらっしゃる。でもやっぱりそのことが本当に日韓関係にとってということと、まあ日本の経済にとってもどういう影響があるのかってことを私も含めて冷静に考えていかなきゃいけないなということを感じます。

要旨をまとめると、
・韓国の市民は日本国民と安倍政権を分けて考えており、安倍政権を批判するが日本国民は批判しないので冷静である。
・日本では安倍政権の輸出規制に対する支持が増えているが、日韓関係や日本経済に悪影響を与えることを冷静に考えるべきだ。

というものです。

しかしながら、
・日本国民の多くは今回安倍政権が実施した貿易上の措置について支持しており、「安倍政権を批判しても日本国民は批判していないから韓国国民は冷静」という浜田氏の主張は明らかに破たんしており政治的にも公平とは言えない。
・今回の措置は「輸出規制」ではなく安全保障上の懸念払しょくのための「輸出管理」である。適切な手続きを踏めば従来通り貿易が可能なため日本経済への悪影響は存在しない。したがって、日本国民がこの措置を支持しているので冷静ではないという主張は事実に基づかないものである。

など、発言内容とは異なる事実が存在します。

以上のことから、今回の報道での浜田氏の発言は政治的に公平でなく、また事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」、同第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

2、谷口氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
谷口氏は今回の報道で、以下のように述べています。

谷口氏(抜粋):あの、先日学生さんと話してたら、なんで日韓ってあんなに揉めてるんですかって聞かれたんですね。で、しかもどっちがアメリカに味方してもらえるかっていうのを争ってるような気がしますというふうに言われたときに、なるほどそれはさっき寺島さんがおっしゃったみたいに、アメリカを味方につけるということが、こう一つの目標になってるんじゃないかっていうふうに見えることもあるんですね。で、その子達が言ったのは、面子でやるんじゃなくて、やっぱり僕たちはその隣の国として仲良くやりたいと思っているので、外交は外交でやって欲しいけど外交ってなんのためにあるんですかねって言われた時に、これ本当に政治家の皆さんに聞いていただきたいね、それは日韓両国の政治家に聞いていただきたい言葉だなと思いましたね。

要旨をまとめると、
・日韓が揉める理由は不明瞭だが、アメリカを味方につけることが目的化している気がする。
・私の教え子は「隣の国と仲良くやりたいので、外交では自国の面子を気にするのではなくそのために動いて欲しい。外交はそのためにある。」と言っている。両国の政治家に聞いてもらいたいくらいだ。

というものです。

しかしながら、
・今回の輸出管理上の措置は安全保障上の懸念を払しょくするためのものであり、目的が不明瞭だという主張は事実に基づいていない。また、今回の措置はアメリカを味方につけることを目的としたものではない。
・外交は国益を守るためにあるもので、「隣国と仲良くやりたい」がために行うものではない。また、日本政府の対応について「面子を気にしている」という主張は事実に基づいているとは言えない。
・谷口氏の教え子の発言があたかも一般的な意見かのように扱うことは事実に即しているとは言えない。

など、発言内容とは異なる事実が存在します。

以上のことから、今回の報道での谷口氏の発言は事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

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3、松原氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
松原氏は今回の報道で、以下のように述べています。

松原氏(抜粋):先ほどの動きを見てると思うのは、政治ってのはことを治めるのが政治なはずなのに、政治が火をつけてる感じがしますよね。文在寅大統領をいろいろ聞くとですね、やっぱり側近たちは日本との関係を修復しようじゃないかっていう提言を何回もしてるんだけど、耳を全く貸さないらしいんですね。一方でじゃあ日本はどうかというと、今回のいろんな措置が政治主導の面が強すぎてですね、結構予想以上におそらく反発が来てると言うので、慌てて沈静化を図ろうとしているっていうのが実際のところだと思うんですが、でもだからこそ、あの反日旗を撤去したっていうのは私はもう救いだと思うんですね。つまり、官が言ったことを民が、ちょっといい加減にしてくれ、そこまで行くなと。その、この間ですね、韓国と日本の、日韓の学者さんと政治家とジャーナリストが議論する日韓未来対話にパネリストとして参加したんですけど、そこですごく面白い世論調査があって、韓国側は日韓が悪化してもそれに反比例するかのように日本への好感度、日本人への好感度がさらに上がってるんですね。これまでにないくらい。つまりい切り分けてるんですね。そこはね。だからああいう、反日旗の撤去も出てくると。そういう意味では、政治が作ったものを政治が治めるのは実はすごく難しいんですよ。自分で火をつけたもんですから。だからそういう意味では、やっぱり民間がこれからもうどんどん今、経済的にも、先ほど交流の話もありましたけど影響を受けてますから、民間が声をあげて政治をストップかけるという。対話しましょうよと。行き過ぎないのが良いですよと言う、民間から声を出すというのがキーじゃないかなっていうふうに、あの反日旗の話を見て、ちょっと思いましたね。

要旨をまとめると、
・韓国の文在寅大統領が側近の意見を全く聞き入れずエスカレートし、また政治主導の側面が強い日本も予想以上の反発に慌てて沈静化を図ろうとしているところがある。政治がこの問題に火をつけている。
・一方で、韓国では今回の日韓関係悪化を受けても日本への好感度は反比例するかのように高いという世論調査がある。これは韓国国民がこの問題と日本への感情を冷静に切り分けているからで、反日旗の撤去はその表れである。
・政治がエスカレートする今、民間が経済交流・文化交流などを通して対話しようと声を上げ、政治にストップをかけるべきである。

というものです。

しかしながら、
・文在寅大統領が側近の話を聞き入れないことは「政治主導」とは全く別の問題である。同様に、日本政府が今回の措置を取ることと政治主導の側面が強いことは何ら関係のない話である。
・日本政府は今回の措置実施にあたって一貫した説明、立場を取っており、「予想以上の反発に慌てて沈静化を図ろうとしている」という主張は明らかに事実に反している。
・韓国の世論調査で日本への好感度が高い、というのは輸出管理措置が実施される前の話で、韓国ギャロップ社による最新の調査では「日本に好感を持っていない」と答える人が77%、「日韓の対立は日本政府の責任だ」と答える人が61%と日韓対立によって韓国国民の対日感情は悪化している。したがって松原氏の主張は明らかに虚偽である。
・また同世論調査では「日本製品の不買運動に協力する」と答えた人が7割おり、日本への感情とを冷静に切り分けているという松原氏の主張はこうした事実と相反する。
・今回の措置は輸出管理の適切な実施のために行われるもので、日本政府の韓国への対応がエスカレートしているので民間が声を上げるべきだ、という主張は事実に即しておらず、また政治的に公平とは言えない。

など、発言内容とは異なる事実が存在します。

以上のことから、今回の報道での松原氏の発言は政治的に公平でなく、また事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」、同第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

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4、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
今回の放送では、この問題について全体を通して「今回の問題をエスカレートさせているのは日韓両国の政府に非がある」「安倍政権と日本国民をしっかり分けて考える韓国国民は冷静だ。民間の協力で政治の暴走を止めるべきだ。」という立場に立った意見のみが出てきました。

ですがこの問題に関しては「安全保障上の懸念を払しょくするための当然の措置だ」「韓国国民は不買運動や反安倍デモをしており冷静とは言えない」「管理貿易は政府マターだ」といった反対の意見があります。にもかかわらず、今回の報道ではそうした意見を全く取り上げず、あくまで片方の視点に立った論点のみが放送されていました。

以上のことから、この内容は放送法第2章第4号「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。

以上が報告の前編となります。前編では政治的に公平でなかったり、事実と異なる内容を放送したり、一定の立場に偏った内容だけを放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。

この続きの
② あいちトリエンナーレの展示中止について報道された部分
については中編の報告をご覧ください。

③ 森友問題における佐川氏の不起訴について報道された部分
については後編の報告をご覧ください。

公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。

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