2019年9月11日 報道ステーション

2019年9月11日 報道ステーション

9月11日の報道ステーションのレポートです。

今回検証するのは以下の点です。

・十分な論点を提示したうえで、日韓関係に関する報道がなされていたか

まずは放送内容を確認していきます。

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【VTR】
森川夕貴アナウンサー(以下森川アナ):続いては日韓関係なんですが、日本の輸出規制を巡り、韓国がWTOへの提訴に踏み切りました。

兪明希 通商交渉本部長(以下兪本部長):我が国の利益を保護し、政治目的で貿易を悪用する行為が繰り返されないようにWTO(世界貿易機関)に提訴する。

ナレーション(以下ナレ):日本の輸出規制をめぐり韓国政府は日本が7月に始めた半導体材料などの輸出規制が不当だとして撤回を求めWTOに提訴しました

兪本部長:(輸出規制は)韓国の最高裁判所の徴用工判決と関連した政治的な動機で韓国を狙い撃ちした差別的な措置だ。

ナレ:更に、韓国企業が甚大な被害を被ったと主張し、提訴の前提となる2国間協議を日本に要請しました。一方、日本政府は安全保障上の輸出管理の見直しでありWTOの協定には違反しないと強く反論しています。

安倍総理大臣:韓国にはまず国と国との約束を守っていただきたいと。

ナレ:韓国政府は来週にも日本を貿易管理の優遇対象国から除外する対抗措置に踏み切る予定です。
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【パネル説明】
森川夕貴アナウンサー:韓国が今回、提訴したわけですが今後、どのような手続きを取っていくか。まずWTOは、紛争処理では2審制を取っています。ただ、その審理に入る前にまずは2国間で協議をしてくださいよという決まりがありまして60日以内に解決できない場合審理が開かれるんですね。1審に進んで結果が出て、どちらかの国が不服であると申し立てると上訴することができます。最終的な判断まで3年から4年かかるケースもあるそうなんです。

富川悠太アナウンサー:打開策がなかなか見えてこないですね。
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【検証内容】

まずは今回取り上げられていた日本と韓国それぞれの主張を見ていきます

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兪明希 通商交渉本部長(以下兪本部長):我が国の利益を保護し、政治目的で貿易を悪用する行為が繰り返されないようにWTO(世界貿易機関)に提訴する。

ナレーション(以下ナレ):日本の輸出規制をめぐり韓国政府は日本が7月に始めた半導体材料などの輸出規制が不当だとして撤回を求めWTOに提訴しました

兪本部長:(輸出規制は)韓国の最高裁判所の徴用工判決と関連した政治的な動機で韓国を狙い撃ちした差別的な措置だ。

ナレ:更に、韓国企業が甚大な被害を被ったと主張し、提訴の前提となる2国間協議を日本に要請しました。一方、日本政府は安全保障上の輸出管理の見直しでありWTOの協定には違反しないと強く反論しています。

安倍総理大臣:韓国にはまず国と国との約束を守っていただきたいと。
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韓国側は日本が徴用工問題と相まって政治的な動機で不当な貿易を悪用していると主張しています。
一方の日本側の見解は、韓国に国同士の約束を守ってほしいというものです。

これでは何が争点となり、両国の関係が悪化しているのかが見えてきません。
このような論点の少なさでは韓国側が主張しているように日本が貿易を政治利用しているという印象を与えかねません。

そこで、日本側の主張である韓国が果たすべき国際間の約束とは何なのかを見ていきます。

今回の日韓関係の発端となった問題として挙げられるのは、徴用工問題です。

日本が戦時中、朝鮮半島の人々に労働を強いていたという問題ですが、この問題について韓国と日本で結んだ取り決めとして、日韓請求権協定があります。

日韓請求権協定は、それまでの日本と韓国の間に生じている請求権の一切を互いに放棄することを決めた国同士の協定です。
韓国としてはこの請求権協定に徴用工問題は含まれていないという主張を行っていますが、日本政府の立場としては、徴用工問題も請求権協定に含まれているという認識です。

このように両国間で協定の解釈に齟齬がある状態となっていますが、このような状態の場合は日韓請求権協定の3条には仲裁委員会による仲裁手続きを行うという手段が用意されています。
ところが、韓国側は仲裁手続きに応じず、問題が問題であり続けているのです。
国際法学会によると、このような仲裁手続きに応じないこと自体も国際法違反に当たるとされています。

この問題の所在がどこにあるか、といった論点を提示しない放送は以下の放送法に抵触する恐れがあります。

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放送法4条
(4)意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること
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視聴者の会は公正なテレビ放送を目指して今後も監視を続けて参ります。

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