2019年9月22日 サンデーモーニング(前編)

2019年9月22日 サンデーモーニング(前編)

TBS「サンデーモーニング」、2019年9月22日放送回の検証報告(前編)です。

今回の報告では、
① サウジアラビア石油施設攻撃について報道された部分
② 福島第一原発の処理水海洋放出について報道された部分
③ 東電旧経営陣の無罪判決について報道された部分
以上3点について検証し、その問題点を探りたいと思います。

検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。

今回はレポートを3つに分け、前中後編でお送りいたします。

前編で検証するのは、
① サウジアラビア石油施設攻撃について報道された部分
となります。

では、さっそく放送内容をみてみましょう。

【VTR要約】
 サウジアラビアの国営石油施設2か所が何者かの攻撃を受け、爆発・炎上した。イエメンの反政府武装組織フーシ派は無人機による攻撃作戦を実施したと声明を発表。近年、各国が開発を進める無人機をめぐって脅威を懸念する声が上がっていたが、それが現実のものになった。
 一方、トランプ大統領は、無人機による攻撃にはイランが関与したと主張している。イランが支援するフーシ派は、サウジアラビアが後ろ盾のハディ暫定政権と内戦を繰り広げており、イランにはサウジアラビアを攻撃する理由があり、イランがフーシ派に無人機を提供した可能性も指摘されている。

【アナウンサーによるパネル説明】
・アメリカでイスラエル移民のエイブ・カレム氏が開発した安価で高性能の無人機をもとに、無人偵察機プレデターが開発された
・その後、CIAが対戦車ミサイル「ヘルファイア」を搭載し、遠隔操作でアルカイダの幹部を殺害した。
・アフガニスタンやシリアなどでも幅広く使用され、プレデターより高性能な無人機が開発されている
・イランは墜落したアメリカの無人機を分解・模倣して無人機をつくっているとみられている
・イランが開発した無人機「アバビール」は、コーランからきており、敵が像の部隊を率いてメッカに進軍してきた際、石を投げつけて敵を撃退した鳥の部隊の名前が由来である
・無人機は1機あたり数十万円~数百万円と安価で、テロ組織の手にも渡っている

【コメンテーターの発言】
寺島実郎氏(全文):僕は今、世界を動いてて一番元気な人ってのは、武器商人とですね、石油関係者っていうかですね、で、こういう事態が起こることによってですね、またそれを防衛する兵器を売り込んだとかね、あるいは石油価格がバーレル60ドル跳ね上がってくことにものすごく利害を感じてる人たちってのがね、この産油国でもって蠢いてるわけですよ。で、中東と言うね、非常に民族宗教入り乱れてですね、非常に危険な火薬庫と言われてるところにですね、非常に緊張を高めてるのが、アメリカ自身であり、トランプ政権なんですよね。で、中東のですね、政策をですね、ことごとくアメリカはですね、79年のホメイニ革命以来、失敗を積み上げてきているといってもいいと思うんですね。で、トランプ大統領自身が言ってるようにね、戦争になればアメリカが世界最強の軍隊だっていうふうに思っていますけれども、飛び道具っていう意味においてはね、ミサイルだとかこういう兵器に関してはなるほどアメリカが世界最強化もしれないけどですね、地上戦になったらね、肉弾戦になったらまさにIS掃討作戦で一番活躍したのが、イランの革命防衛隊だったということが示してるようにですね、あるいはイラク戦争においてもベトナム戦争においても、肉弾戦になったらアメリカってやっぱりですね、要するに体と体でもって向き合わなきゃいけない陸上戦になってるんですから、勝てる戦争にならないわけで、飛び道具だけでいわゆる飛び交うようなですね、そういう戦争のステージも変わってきている。アメリカの、いわゆる中東での失敗の教訓なんていうのはね、日本人としてよく見つめてないとですね、これ、要するにイランに対して共同戦線を張ってですね、いきましょうなんていう話に迂闊に乗ってるとね、こういった種類の話に日本自身が巻き込まれていくっていうことをよく考えておくべきだと思いますね。

幸田真音氏(要約):オイル価格は上がった方が嬉しいっていう産油国のメンタリティもある。ドローンはミサイルの迎撃に引っかからないので、新しい戦争空間ができてきた。中国では3Dプリンタで24時間でドローンができる技術があり、それにAIが絡んで人間を認識して追いかけていくという世界になってきている。日本はそれに対して対処できるものがあるのか心配。

藪中三十二氏(要約):今までサウジとトランプを繋いできたのは巨額の大量の武器購入だったが、これをわずか数十万円のドローンで破られてしまった。これは大変なショック。何とかサウジを食い止めなければいけないが、サウジの皇太子は悪名高い。イランは意外としたたか。アメリカはもう手詰まりで、これ以上経済制裁もやる手がなくなってきている。トランプさんは戦争と言っていても戦争はしたくない。そこをイランは分かっている。日本はどうやってアメリカとイランを交渉の場をもっていくのか、政府の外交に期待したい。

浜田敬子氏(要約):ショットガンの中にドローンを仕込む技術もあり、ドローンはレーダーに引っかからないので密輸に使えるとも言われている。中国がセルビア軍にドローンを売ったというニュースもある。一方でドローンは民生での活用が期待されていている。空の新しいルールを作っていかないと、民生と安い軍用ドローンが入り乱れていく時代になっていく。その中でどうやって防衛をし、新しい産業を生んでいくのか。日本はちゃんと考えなければいけない。

青木理氏(全文):きな臭さですよね。事件の真相がよくわからないですよね。で、大体戦争って、よくわからない。日中戦争もそうだし、トンキン湾事件なんかもそうだったんだけれど、誰がやったんだかわかんない暴力的な事件がきっかけになって巨大な戦争に発展していくっていうケースがこれまで繰り返されてきたので、これ本当真相は何なのか。アメリカはどう出るのかってのはってのはすごい気になるんですけれど、藪中さんがさっきおっしゃったように、サウジとアメリカ・トランプ政権ってのは武器の購入でものすごい結びついてきたっていうんだったら、そこまでの規模じゃないんだけれども、最近の日本とアメリカってのもその傾向があってね、イージスアショアなんてものに何千億円もかけるんだけれど、おそらくこれでやられたら、突破されちゃうわけじゃないですか。だからどうやって防御するのか。で、これアメリカが開発して、超大国が開発をしてそれが拡散して格安になってっていうんで、アメリカ、超大国にしっぺ返しがくるってことをこれまでずーっと繰り返してきてるわけですよ。ありとあらゆる兵器において。今回もそうなってきてるんだけれども、日本で何千億もかけてミサイル防衛をやってるんだけれど、突破されて。じゃあ原発大丈夫なんですかっていうような話にもなってくるんですよね。なので、決してこれ、中東って遠い場所での出来事なんだけれども、同じような構図ってのが世界中にあって、我々もその一つの中に組み込まれてませんかってあたりは、考えてみる必要があるのかなとは思いますよね。

以上が放送内容となります。

では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で我々が問題だと考えたのは、以下の3点です。

1、寺島氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
2、青木氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
3、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている

それぞれ順を追って解説します。

1、寺島氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
寺島氏は今回の報道で、以下のように述べています。

寺島氏(抜粋):一番元気な人ってのは、武器商人とですね、石油関係者っていうかですね、で、こういう事態が起こることによってですね、またそれを防衛する兵器を売り込んだとかね、あるいは石油価格がバーレル60ドル跳ね上がってくことにものすごく利害を感じてる人たちってのがね、この産油国でもって蠢いてるわけですよ。(中略)で、トランプ大統領自身が言ってるようにね、戦争になればアメリカが世界最強の軍隊だっていうふうに思っていますけれども、飛び道具っていう意味においてはね、ミサイルだとかこういう兵器に関してはなるほどアメリカが世界最強化もしれないけどですね、地上戦になったらね、肉弾戦になったらまさにIS掃討作戦で一番活躍したのが、イランの革命防衛隊だったということが示してるようにですね、あるいはイラク戦争においてもベトナム戦争においても、肉弾戦になったらアメリカってやっぱりですね、要するに体と体でもって向き合わなきゃいけない陸上戦になってるんですから、勝てる戦争にならないわけで、飛び道具だけでいわゆる飛び交うようなですね、そういう戦争のステージも変わってきている。アメリカの、いわゆる中東での失敗の教訓なんていうのはね、日本人としてよく見つめてないとですね、これ、要するにイランに対して共同戦線を張ってですね、いきましょうなんていう話に迂闊に乗ってるとね、こういった種類の話に日本自身が巻き込まれていくっていうことをよく考えておくべきだと思いますね。

要旨をまとめると、
・防衛兵器を売り込んだり石油価格を高値で売れたりと、こういう事態で一番得をしているのは武器商人と石油関係者だ。こうした人たちの思惑が存在する。
・「戦争になればアメリカが世界最強の軍隊だ」とトランプ米大統領は言うが、IS掃討作戦で一番活躍したのはイラクの革命防衛隊だったことやイラク戦争やベトナム戦争などを見れば、陸上戦、肉弾戦でアメリカは弱いと言える。現在の戦争は飛び道具だけが飛び交うものではないので、アメリカの力は弱くなっている。
・日本はアメリカの中東の失敗を教訓に、イランに対して共同戦線を張るなどせずアメリカと一線を引くべきだ。

というものです。

しかしながら、
・武器の販売業者や石油関係者が得をすることはあくまで現在起きている対立の結果であり、こうした存在の思惑が問題を複雑化させているという主張は根拠に欠け、事実に即していない。
・IS掃討を目的とした「生来の自由作戦」において、米国は現地勢力の支援や空爆を主として実施した。したがって「一番活躍したのはイラクの革命防衛隊だから米軍の陸上戦力は弱い」という評価は的外れであり事実に基づかない。また、時代の全く違うベトナム戦争や陸上戦力が十分に機能していたイラク戦争はこうした主張の根拠とはならない。
・日本の安倍首相は既にイランのロウハニ大統領と会談し二国間関係の構築に努めている。したがって日本がアメリカの中東の失敗と同じ轍を踏みかねないという主張は事実に基づかない。

など、発言の趣旨とは異なる事実が存在します。

以上のことから、今回の報道での寺島氏の発言は政治的に公平でなく、また事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」、同第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

2、青木氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
青木氏は今回の報道で、以下のように述べています。

青木氏(抜粋):サウジとアメリカ・トランプ政権ってのは武器の購入でものすごい結びついてきたっていうんだったら、そこまでの規模じゃないんだけれども、最近の日本とアメリカってのもその傾向があってね、イージスアショアなんてものに何千億円もかけるんだけれど、おそらくこれでやられたら、突破されちゃうわけじゃないですか。だからどうやって防御するのか。(中略)日本で何千億もかけてミサイル防衛をやってるんだけれど、突破されて。じゃあ原発大丈夫なんですかっていうような話にもなってくるんですよね。なので、決してこれ、中東って遠い場所での出来事なんだけれども、同じような構図ってのが世界中にあって、我々もその一つの中に組み込まれてませんかってあたりは、考えてみる必要があるのかなとは思いますよね。

要旨をまとめると、
・サウジアラビアとアメリカは武器購入で結びついてきた。最近の日本にもその傾向があり、イージスアショアに何千億もかけているが、ドローンには突破されてしまう。
・日本も何千億かけてミサイル防衛をやっているが、これはドローンに突破されるので原発大丈夫なのかという話にもなってくる。

というものです。

しかしながら、
・イージスアショアを導入する目的はミサイル防衛であり、ドローン対策を目的としていない。したがって、ドローンに無力なのでイージスアショアへの出費は無駄だという主張は明らかに事実に反している。
・日本の原発は大型航空機の衝突を想定した設計となっており、ドローンによる攻撃で損傷を与えることはできない。

など、発言の趣旨とは異なる事実が存在します。

以上のことから、今回の報道での青木氏の発言は政治的に公平でなく、また事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」、同第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。

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3、この報道全体がひとつの立場・観点に偏っている
今回の放送では、この問題について全体を通して「イランへ対抗する有志連合に日本は加わるべきではない」「アメリカの軍事援助はドローンに対して無力だった」という立場に立った意見ばかりが出てきました。

ですがこの問題に関しては「有志連合への協力は国際秩序を重んじる日本として当然だ」「ドローンに対して無力だから無意味ということにはならない」といった反対の意見があります。

にもかかわらず、今回の報道におけるVTRやパネル説明ではそうした意見をほとんど取り上げず、あくまで片方の視点に立った論点のみが放送されていました。

以上のことから、この内容は放送法第2章第4条第4項「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に違反する恐れがあります。

以上が報告の前編となります。前編では事実と異なる内容を放送したり、一定の立場に偏った内容だけを放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。

この続きの
② 福島第一原発の処理水海洋放出について報道された部分
については中編の報告をご覧ください。

③ 東電旧経営陣の無罪判決について報道された部分
については後編の報告をご覧ください。

公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。

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