サンデーモーニング、2019年10月20日分の検証報告(後編)です。
今回の報告では、
① 台風19号の被害について報道された部分
② 「風を読む」にてフェアプレーについて報道された部分
③ 自衛隊のホルムズ海峡派遣について報道された部分
以上3点について検証し、その問題点を探りたいと思います。
検証の手順としては、まず放送内容を書き起こし、その内容にどのような問題があるのか、公正な放送の基準である放送法第二章第四条と照らし合わせて検証します。
今回はレポートを3つに分け、前中後編でお送りいたします。
後編で検証するのは、
② 「風を読む」にてフェアプレーについて報道された部分における
検証3「高橋氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている」
ならびに、
③ 自衛隊のホルムズ海峡派遣について報道された部分
となります。
では、さっそく②の検証3をみてみましょう。
3、高橋氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
高橋氏は今回の報道で、以下のように述べています。
高橋氏(抜粋):先ほどご紹介があった大西さんの言葉ですね。あれはあの、スポーツだけじゃなくて、政治の世界にも当てはまるなと、そっくりそのまま当てはまるなと思って聞きました。やはりその、今あっちでは、政治の世界では何が行われているかというと、もうやっぱ勝ち負け。勝ちさえすればいいんだと。あの土俵を歪めてでも、ウソをついてでも勝ちさえすればいいんだというアンフェアプレイの見本市みたいなことになっていると。これではやはり社会の規範にはなれないよねと。あのスポーツと比しても志が低いというふうに言わざるを得ないんじゃないかというふうに思います。
要旨をまとめると、
・政治の世界では、勝ちさえすればよいという考え方のもと、土俵を歪め嘘をついてでも勝てばいいんだというアンフェアプレイが横行している。これでは社会の規範になれないしスポーツと比べても志が低い。
というものです。
しかしながら、
・政治の世界が「勝ちさえすればよい」という考え方のもと嘘をついて土俵を歪めているという主張には一切根拠がない。
・政治には社会の規範としての機能はない。また、スポーツと比べて志が低いという主張も根拠がなく、事実に即さない。
など、発言内容とは異なる事実が存在します。
以上のことから、今回の報道での高橋氏の発言は政治的に公平でなく、また事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第2号「政治的に公平であること」、同第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。
続いて、
③ 自衛隊のホルムズ海峡派遣について報道された部分
となります。では、放送内容を見ていきましょう。
【VTR要約】
中東ホルムズ海峡での安全確保に向けたアメリカ主導の有志連合構想について、安倍総理は有志連合ではなく日本独自に自衛隊の艦船などをホルムズ海峡ではなくその周辺海域に派遣することについて検討するよう指示した。政府はイランとの友好関係を重視し、アメリカの求める有志連合には参加しないことでイランに一定の配慮を示した形になる。
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【コメンテーターの発言】
中西哲生氏(全文):今回の台風でもですね、自衛隊の方々がかなり活躍されているところもありますし、今現在どういう基準で明確に自衛隊が海外に出て行くのかということに対しての、少し緩みが出ている感覚がありますね。個人的には。どこまでだったら言ってもいいのかっていうことに対して、まず日本国内にこれだけ災害が多く発生している状況の中でいろんなことが当然、国内でもやるべきことはあると思うんですけれども、そのあたりもしっかりした明文化ってのは必要なのかなと思いますね。
以上が放送内容となります。
では、今回の報道にどのような問題があるのかを整理してみます。
今回の報道で、我々が問題だと考えたのは、以下の1点です。
1、中西氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
それぞれ順を追って解説します。
1、中西氏の発言に事実と異なる恐れのある内容が含まれている
中西氏は今回の報道で、以下のように述べています。
中西氏(抜粋):今回の台風でもですね、自衛隊の方々がかなり活躍されているところもありますし、今現在どういう基準で明確に自衛隊が海外に出て行くのかということに対しての、少し緩みが出ている感覚がありますね。個人的には。どこまでだったら言ってもいいのかっていうことに対して、まず日本国内にこれだけ災害が多く発生している状況の中でいろんなことが当然、国内でもやるべきことはあると思うんですけれども、そのあたりもしっかりした明文化ってのは必要なのかなと思いますね。
要旨をまとめると、
・今回の台風でも自衛隊が活躍しているが、今現在どういう基準で自衛隊が海外に出ていくかという基準があいまいになっている。
・国内でもやることがたくさんあるので、自衛隊がどこまで動いていいのか明文化が必要だ。
というものです。
しかしながら、
・自衛隊の行動はポジティブリスト制の厳格な基準によって統制されており、中西氏の主張は事実と全く異なるものである。
・海外派遣は専用の部隊が存在しており、国内での任務は国内の部隊が担当するため、海外派遣で国内での任務がおろそかになることはない。
など、発言内容とは異なる事実が存在します。
以上のことから、今回の報道での中西氏の発言は事実に基づかないものである恐れがあり、したがって放送法第2章第4条第3号「報道は事実を曲げないですること」に違反する恐れがあります。
以上が報告の後編となります。後編では(政治的に公平でなかったり、)事実と異なる内容を放送したり、一定の立場に偏った内容だけを放送した恐れがありました。こうした報道は、放送法に違反する恐れがあり、視聴者への印象を誘導する偏向報道の可能性が極めて高いといえます。
① 台風19号の被害について報道された部分
については前編の報告を、
② 「風を読む」にてフェアプレーについて報道された部分
については中編の報告をご覧ください。
公平公正なテレビ放送を実現すべく、視聴者の会は今後も監視を続けて参ります。